2012/06/17

・二重人格なアキラ


ときどき、よそのサイト様で別EDのアキラ同士が出会ったら……というシチュエーションを見かけます。この場合、一つの世界にアキラという個人が二人(もしくはもっと多数)存在することになります。で、思ったのですが、物理的に肉体は一つで、精神だけいろんなEDバージョンが同居するアキラも面白いかもしれません。

二重人格というと精神が抑圧されてそうなイメージなので、やはり本来の状態からすっかり性格が変化してしまED2やED3のアキラが、そういう抑圧された別の自分を秘めていそうなイメージ。
たとえば、ED3だとアキラは愛妾としてシキの私室に隔離され、物質的には甘やかされて過ごしています。この状態は、ある意味ではアキラが一人の人間として自立して社会と関わる機会を奪ってしまっていることになります。また、アキラはED3の場合でも内心では結構シキが好きなので、状況が違えばED2アキラのようにシキの補佐役的な立場になる可能性もあったはず。ED3では、アキラが社会と関わりたい、同時にシキに相応しい男であると認められたいというアキラの欲求が、無視されてしまっています。
なので、二重人格になるとしたら、ED3アキラの中には、ED2アキラのような潔癖仕事人間(?)的な部分が隠された人格として生じそう。
ED3アキラ自身はシキに素直に行為を示すことはなくて、主の留守中に他の男と遊んだりする。二重人格のもう一方のED2的アキラは、そんなED3アキラに苦言を呈したりする。また、ED3アキラが眠っているときに、シキの前に現れて、謝ってみたりとか。

たとえばこんな感じで。

ED3アキラが行為に疲れて眠ってしまう。その直後、人格交代してふっと起きあがるED2的アキラ。
「……シキ様、申し訳ございません。また他の男に身体を与えてしまい、何とお詫び申し上げればいいのか……」
「……あぁ、お前か。仕置きなら、済んでいる。気に病むことはない」
「はい……。どうか、“アキラ”を許してやってください。彼は寂しいのです。愛おしいあなたは傍にいない……けれど、自分は追いかけていけない……そのことに、ストレスを感じているのです」
「果たしてそうかな。何も考えず男を漁っているだけに見えるが」
「いいえ。“アキラ”は寂しがっているのです」
「そうか……。そうかもしれんな」

みたいな感じで。
ちなみに、シキはどちらの人格のアキラも同じように愛している。けれども、ED2的人格のアキラもED3アキラと同じようにシキが好きなんだけど、ED3アキラが寂しがっているのを知っているからシキといる時間はなるべくED3アキラに譲ってあげてるという感じだといいな。もちろんED2的人格のアキラの根底には、自分たちは同じ身体で一人の人間であって、どちらの人格が表に出ているにせよ、シキに愛されていることに変わりはないという確信があっての行為ではありますが。
シキはそういうED2的アキラの配慮にも気づいているので、時々、ED2的アキラの方も呼び出して甘やかしてやっているといいなと思います。

ちなみに、身体は一つなんだけど、ED2的人格のアキラはあまりシキとの行為の場面では出ていた経験がない(もちろん、他の男とのときも)ので、精神的にすごく純粋な感じで。たまにシキの相手をすることになったときに、気持ちの面ではものすごく初心なんだけど、肉体的には行為に慣れているのでギャップについていてなくて混乱していると可愛いです。


6/12 ましろ様
こんにちは! うちの本を持っていてくださったなんて、光栄です! パーティの話も、楽しんでいただけているようで、嬉しいです。
イベント後の通販は、行う予定ですのでご安心ください。本がイベントで売り切れることがないのでサイトで予約的なことはしていないのですが、前もってメールアドレスとハンドルネームを教えていただいていたら、通販開始時に優先的にご案内するようにしています。もしよかったら、イベント前にサイトに出す本のサンプルをご確認いただいてから、「通販希望」の一文を書いたメールをいただけたら、取り置き扱いで本を用意しておきます。よろしければ、ご利用くださいませ。




6/14 「咎狗ED2パラレルのお話を読むことができて嬉しかったです〜」の方へ
メモのED2パラレルの小ネタ、読んでいただいてありがとうございます!
楽しんでいただけて嬉しいです!やっぱり、敬語に慣れきらないアキラはすごく可愛らしいですよね!それも、いつも敬語が使えないわけじゃなくて、心を許した相手とか無意識に惹かれてるシキ限定だともっといいですね。敬語が抜け落ちることが、相手への親しみのバロメーターになるみたいな感じで。
余裕のシキに振り回されるアキラ、素敵ですよね!なんというか、シキアキの関係に含まれる要素はいろいろあるんだけど、シキに振り回されるというのはシキアキの原点にある一要素という感じがします。個人的には、読んでて「あーシキアキだ」と安心するシチュというか(笑)






2012/06/10

夏のインテックス大阪のイベントに申込みをしました。
今回の本の予定は、ED1シキ復活後のお話。
恋人同士の関係を維持しながらも、闘いを捨てたシキと闘い続けるアキラという別の世界で歩き出した二人の話です。シキは闘わずにはいられない人なんだろうけども、ED1後のアキラと生きていくにはいずれ闘いを捨てなければならないはず。どうやって、新たな道を生き始めるかというようなお話だと思います。


・シキアキが最初からED2の世界で出会ったら(追加)
最初からED2の世界というネタに好評をいただいたので、もうちょっと書いてみる。
アキラは軍に入りたての新人で、性格的にもああなのであまり上下関係が身についてない感じ。一応、上官に敬意を表したりはするんだけど、とっさのときには敬語が抜け落ちたりします。おまけに、軍の中でわりと自分が容姿的に狙われていることも、分かってない。
シキアキが最初からED2の世界で出会ったら〜なストーリーでは、そういうアキラがシャキッとした軍人になって、さらに高嶺の花になっていく過程がすごく萌えると思います。

ちなみに、以下の文章は前回メモの終盤の「アキラは先輩に目を付けられ(軍隊ものでたまに見かけるように)、性的暴行を受けかけるが、シキが通りかかって、助けてくれる」をちょっとだけ書いてみました。


***



「――来い」
 アキラが何気なく中庭を横切ろうとしたときだった。不意に現れた二人の兵士に腕を掴まれて、庭木の茂みに引き込まれる。茂みの影になる地面に引き倒されたアキラは、身を強張らせて目の前の二人の兵士を見上げた。顔ははっきりとは見えないが、態度などから察するに二人はアキラより階級が上のようだ。
「……なっ、何を……」
「大人しくしていろ」
「大声を出せば、痛い目を見るぞ」
 脅すように言って、一人がアキラの頭側に回り、腕を押さえつけた。更にもう一人が身体の上に覆いかぶさってくる。その重みにアキラはぞっとした。軍服のシャツの裾から、無遠慮な手が忍び込んできて皮膚を撫でる。その手から逃れようと必死に身を捩りながら、アキラは声を上げた。
「嫌だ……! やめっ……」
 途端、思いきり腹部を殴られ、アキラは息を詰めた。あまりの痛みに声も出せず、ヒア汗を流して悶絶する。
「大人しくしていろと言っただろう」
 そう言いながら、覆いかぶさった兵士がアキラのベルトに手を掛けたときだった。
「――そこで、何をしている?」
 低く響きの良い声が、投げかけられる。兵士たちははっとして手を止め、背後を振り返った。誰かが茂みの脇に立っているようだが、地面に仰向けになっているアキラからは、見ることができなかった。
「……シ、シキ中尉……」
「これは、その……この新人が、あまりに生意気なもので……」
 兵士たちの弁解めいた言葉。しかし、“シキ中尉”と呼ばれた人物は、絶対零度の声音で彼らの言い訳を一蹴した。
「軍規に則らない私刑は禁じられている。だが、今夜ばかりは未遂ということで、見逃してやろう。去れ」
「も……申し訳、ございません!」
「失礼しました!」
 兵士たちはぱっとアキラから離れ、脱兎のごとく去っていた。いったい、何がどうなっているのか分からないが、とにかく助かったらしい。アキラはそう判断して、おずおずと上体を起こした。次の瞬間、思わず息を呑んだ。少し離れたところに月明かりを浴びて立っているのは、士官らしき出で立ちの男だった。長身で、立ち姿が凛として美しい。人形めいて秀麗な顔立ちの中の、強い意思を宿す目が印象的だった。
「何をぼんやりしている? 軍規により、私闘は禁止されている。今のお前の格好では、私的な喧嘩をしたと思われかねん。さっさと移動するぞ。立て。……それとも、立てないか?」
「……立てる――立て、ます……」
 アキラがその場に立ち上がると、男はアキラの腕を掴んで有無を言わせぬ態度で歩き出した。その強引さに、もしかして何かされるのではないかと不安になるが、相手が『中尉』だとすると勝手に逃げだすこともできない。しかし、アキラの心配をよそに、男はアキラを兵舎の医務室に連れて行っただけだった。軍医は席を外しているらしく、男がてきぱきとアキラの身体を見分し、引き倒されたときにできた腕の擦り傷などを消毒してくれる。
 不安は杞憂だったらしい。
 アキラはほっと身体の力を抜いた。そのときだった。
「お前は……簡単に無防備な顔を見せるのだな。だから襲われることになるんだ」擦り傷に絆創膏を貼りながら、男が言った。
「俺は、別に無防備になったつもりは……」
「だが、今、俺に気を許しかけただろう」
 そう言うが早いか、男はアキラの左腕を掴んで、ぐぃと引き寄せた。とっさのことで持ちこたえられず、アキラは相手の胸に倒れ込んでしまう。ふわりと香水でもない、けれど心地よい相手の肌の匂いを感じて、アキラはぎくりとした。なぜだか急に恥ずかしくなってくる。
「な、何を……」
 慌てるアキラの肩を押さえつけて、男は耳元に顔を寄せてきた。
「ここまであっさり俺の手に落ちるとは、無防備でなくて何と言う? あまり他人を信用すると、いずれ食われてしまうぞ。ここには、お前のような見目のいい新人を狙っている輩が少なくない」
「だけど、俺は男で……」
「鈍感なのも大概にするんだな。ここでは、男同士で関係を持つ者もいる」
 男は声を潜めて、囁くように言った。その吐息が耳朶をくすぐる感覚に、アキラは思わず身を震わせた。その反応にくっと咽喉の奥で嗤って、相手はアキラの耳朶に舌を這わせた。熱く湿った感覚が耳の縁をなぞる感覚に、背筋がぞくぞくする。 「やめ、ろ……」
 アキラは抵抗したかったが、気が動転してしまっていて、反撃しようと思いきることもできない。ただ身を固くするばかりだ。やがて、相手が耳朶から顔を離し、目を覗き込んできた。
 愉しそうな光を宿した男の目が、目の前にある。引き込まれてしまう。
 男はゆっくりと顔を近づけてきた。このままでは、唇が触れてしまう――。アキラは抵抗することも忘れ、ただぎゅっと目を閉じて身を固くした。が、恐れていた感触は訪れず、拍子抜けして目を開けたとき、男はもう一度、アキラの耳元に顔を寄せて耳朶に軽く歯を立てた。
「はっ……」ぴりっとした刺激に、意図せず熱の籠った吐息が零れる。
「たったこれだけで……いい反応だな」
 男が嗤った瞬間、アキラははっと我に返った。羞恥のあまり、上官だということも忘れて、相手を突き飛ばす。アキラは背後も見ず、その場から走り去った。
 医務室からかなり離れた廊下の隅でようやく立ち止まったアキラは、ごしごしと耳をこすった。先ほどの男のもたらした感触を、消してしまいたい。なのに、脳裏には男の紅い目や秀麗な顔が焼き付いて離れようとしなかった。
「何だよ、これ……」
 アキラは熱を持った頬を持て余しながら、呟いた。



***


6/3 「咎狗世界が最初からED2だったら〜のパラレル設定に激しく滾ってしまいました」の方へ
おお! パラレル設定、気に入ってくださってありがとうございます! 嬉しいです。私もED2はシキアキの選択の結果だとずっと思いこんでいたんですが、ふっと軍人なシキアキが初対面だったらと思いついて、すごく萌えたのでそれが可能な世界を考えているうちに、第三次世界大戦時の続きということになりました。軍人なシキとアキラは割とストイックな感じだし、上下関係もあるのでどんな出会いになるのかといろいろ妄想の余地がありますよね!
なかなか色んなネタを思いつくことができなくて、実は苦心しているのですが、驚いていただいているとのことで本当に光栄です。こちらこそ、いつもサイトを見ていただいて、本当にありがとうございます。



6/9 「こんにちは、井上さんが書かれるお話が大好きで〜」の方へ
こんにちは! いつもサイトを見ていただいてありがとうございます! メモのネタは、結構、苦心しているときもあって、そういうときは「このネタ面白いのかな」と自信がなくなったりもするのですが、楽しんでいただいているとのことで、嬉しいです。
そして、男前アキラに賛同してくださって、ありがとうございます!アキラはゲーム本編を見ていても、最後ではわりと男前な決断をしてくれて格好いいですよね!(眠り続けるシキを守るED1とか……)
早く仕事の忙しい期間を切り抜けて、またお話の更新に戻れるように頑張りますね!




2012/06/03

・咎狗世界が最初からシキアキED2の世界だったら

シキとアキラが出会ったときの状況がED2的な世界からスタートだったらどんなだろう、とふと思いました。まぁ、シキは最初から総帥というのも近づきにくいので、最初はそれなりの階級の軍人で、アキラは新兵として軍に入ったばかりで出会うという。

世界観としては、第三次大戦でニホンははっきり敗戦とならずに、まぁ、そこそこ上手く立ち回ってそんなにはっきりと敗北しなかった感じで。なので、民主化されることもなく、軍事国家が継続しているわけです。
第三次大戦から五年後。普通の若者のアキラは、友人のケイスケと一緒に軍に入ることになります。というのも、世間は不景気で若者に職はないから。食べていくためには軍に入るしかない、ということで入隊。同じような理由で、ユキヒトも同期として入ってきます。で、しばらく訓練に明け暮れる三人。
そのうち、アキラは先輩に目を付けられ(軍隊ものでたまに見かけるように)、性的暴行を受けかけます。そこにシキが通りかかって、助けてくれる。さらに、シキはアキラが弱いこと、人目を引く姿だということから、気を付けるようにと割と嫌味な感じで忠告する。そこでカチンときたアキラが反論すると、シキは「お前の弱さを証明してやる」というようなことを言って、アキラに触れます。ゲーム本編の雨の中でアキラを抱き上げて連れ去るシーンみたいな感じで、結構、きわどい愛撫をしてみたり。でも、無理矢理に最後までするわけではなく、アキラが「抵抗しきれない……!」と怯えて固くなったところで立ち去る。
そんなシキに「???」となりながらも、アキラは妙に惹かれるわけです。で、次に会ったときにシキがかなり階級が上の軍人だと知って、「あんたに追いついてやる」と宣言。シキはにやっと笑って「楽しみだ」と答える。
そんな感じのなれ初めだと萌えると思います。


6/2 「みんなでパーティのお話、読ませていただきました〜」の方へ
新作、読んでくださってありがとうございます!やっと、ずっと書きたかった部分までたどり着けて、書いている本人も嬉しかったです。楽しんでいただけたようで、嬉しいです!
「みんなでパーティの話」は、皆、いろいろあったけど仲良しというのもやりたかったことの一つなので、コメントに書かれているように、想いが通じ合った後のシキアキも、みんなにいろいろ相談しつつからかわれつつ(笑)やっていけたらいいなと本当に思います。
一か月休止の多いサイトで申し訳ないのですが、戻ってきたらまた楽しんでいただけるお話を書くよう頑張りますね!




2012/05/27
■捏造・全員生存ED「みんなでパーティ6」
やっと書きたいところまで来ました。この後7話はエピロローグ的なお話を少し入れる予定です。

■更新お休みのお知らせ
急に仕事が忙しくなったので、6月は文章の更新をお休みします。
メモは書けそうなので、今回は(隔週になるかもしれませんが)メモの更新はします。



2012/05/20
ネタバレを含みます。

・ノイズED
ライムのシーンが好きなので、ライムの場面が多いノイズルートと蓮ルートはわくわくしました。
ノイズはライムの世界ではウサギのオールメイトを複数使ってますが、あれって一匹一匹が現実世界でベルトから吊るしているウサギキューブ一個一個に当たるのでしょうか? 蓮ルートによれば、オールメイトと飼い主は、

・オールメイトの登録のとき、飼い主の体内の個体認識チップでオンライン登録をする
・オンラインでオールメイトと飼い主が意識を共有する

ということですが、あのウサギキューブ一個一個(=ライムにおけるウサギ一匹一匹)と意識を共有して命令を与えるのは、飼い主としてはややこしくないのでしょうか? 状態としては、テレビを見ながら、音楽を聴きながら、本を読みながら、携帯チェックするのと同じくらい並行処理しているようなイメージが。オールメイトがある程度は人工知能で動いてくれるから、そこまで大変じゃないのかもしれませんが、ノイズだったらそれだけの並行処理ができる能力を持っていそうだなと思います。なんたって、エンディングでは絶縁状態の親元へ戻って、0の状態から弟の会社の経営を手伝えるようになるほどの能力の高さですし。

プラチナジェイルでの蒼葉とノイズのやりとりは、全体的に軽快で楽しかったです。普段は年下のノイズが蒼葉を振り回し気味。でも、要所要所で蒼葉の厚意に対して疑問を持つノイズを蒼葉が叱ったり説得したりして、ちゃんと引っ張っていく。そういう二人の関係が何だか素敵だなと思いました。そうやって関係を深めていったからこそ、ノイズが身体の感覚を取り戻して他人の情を理解せきるようになったのだろうなと思います。

ノイズバッドEDその1=ゲームの世界に閉じ込められるEDは、ストーリー初盤の蒼葉がウサギマスク(=ノイズ)と対戦した後、仲間になれと誘われるシーンの再現でしたよね。ノイズを暴露したら、あのシーンにつながっていたというのが面白いなと思いました。ストーリー初盤の流れでは、ノイズは蒼葉に断られても平気な顔をしてたけど、やっぱりあそこで蒼葉に頷いてほしかったんだろうなとバッドEDを見ながら思いました。
ノイズバッドEDその2=ノイズの心に閉じ込められるEDは、何だか切なかったです。ゲーム本編中で普段は強気で蒼葉を振り回すくらいのノイズですが、確か自分は皮膚感覚が鈍くて痛みが分からないから他人の気持ちが分からないというようなことを言っていましたよね。で、他人とコミュニケーションを取る=痛みの感覚でしか他人とコミュニケーションができないと思ってしまって、このEDにつながるのかなと思います。何だか、普段あれだけ強気なノイズが、痛みの感覚でしか他人とコミュニケーションができないと思ってしまうというのが、いじらしいというか、切ないというか。

ベストEDは、まさかあんなに爽やか?になって帰ってくるとは思わなくて、びっくりでした。蒼葉に黙って実家に帰っていたのは、やはり蒼葉に甘えていちゃ駄目だと思って、自分自身を叱咤するために別れもせずに出て行ったんだろうなと思います。
前に何かの本で読んだのですが、赤ちゃんが生まれて、その後にするのがものを触ったりして確かめていくことなのだとか。ずっと皮膚感覚が鈍かったノイズは、プラチナジェイルから戻ってきて、感覚が戻った後、ある意味そういう『赤ちゃんが少し成長した状態』ともいえるのではないかと思います(もちろん、実質的には19歳の青年でもあるわけですが)。で、ほとんど最初に触れて強い印象に残ったのが、蒼葉の身体の感触なのではないかと(病院で行為におよんだりもしてましたしね)。
でも、ライムで再戦して思いがけず敗北した。蒼葉に勝つには、というか蒼葉にふさわしい男になって隣に立つには、今のままではいけないと思たんじゃないかと思います。で、成長するために暖かい、柔らかい、優しい手触りのもの(=蒼葉)の元を離れて、冷たく、暗く、硬い手触りのもの(=家族)と向き合いに戻っていったのではないかと。
以下、上手くまとめられないのですが、頑張ってその辺のところを妄想してみました。


***



 ――熱い。
 蒼葉と肌を合わせるとき、ノイズはいつもそう思う。快楽は、もちろんある。だが、何よりも強く感じるのは、熱さなのだ。以前、蒼葉が行為の感想について尋ねたときも、正直にそう答えた。蒼葉は照れ隠しの言葉だと受け取ったのか少し笑っていたが……ノイズとしては、決して嘘を言ったわけではなかった。
 ただ、熱い。その感覚は長い間、無感覚の世界に閉じこめられていたノイズには鮮烈で――夢中に追いかけているうちに、気がつけば達しているというような具合だった。どこまでが熱で、どこからが快楽なのか、よく分からない。その境界線を見極めたくて、病院を退院してから何度も蒼葉に行為をしようとねだった。
 男同士の行為の負担を考えれば、頻繁にするのは嫌がられるかもしれない。そう思いもしたけれど、蒼葉はときどきちょっと渋ってみせたり困ってみせたりしながらも、やっぱり笑って応えてくれるのだ。多分、自分は彼に甘やかされているのだろう、とノイズは思う。十九歳と二十三歳――四歳の違い――埋められない差がそこにある。
 もう、自分は蒼葉に
(勝てない、かもな……)
 自然にそう思ったところで、ノイズはぎくりとした。敗北を意味する言葉が、保留になったままのライムでの対戦の約束を思い出させた。勝てない――はずはない。少なくとも、普段の蒼葉相手ならば。だが、蒼葉にはノイズの捉えきれないようなところがある。それは暴露の力を使ったときの別人のような彼のことではなく、普段の蒼葉にも存在するものだ。
 たとえて言うなら、0と1の間。
 ノイズが0(オフ)と1(オン)しか把握できないところを、蒼葉は当たり前のようにその間にあるデジタル信号には現しきれないものを理解する。そこが蒼葉の未知数で、だからこそ彼に心を許した今でも、闘う必要のある相手だと感じるのだろう。
「……ノイズ……?」
 隣でぼんやりとした蒼葉の声がした。ノイズの部屋で会って抱き合った後、気絶するように眠ってしまった彼は、今、目を覚ましたらしい。
「……どうか、したのか……?」寝ぼけているらしいくせに、蒼葉は案外鋭く、物思いに沈んでいたノイズに気づいたらしかった。
 本心を話せば弱音になってしまいそうだった。年下とはいえ、惚れた相手の前であまり情けない姿をさらすわけにはいかない。「何でもない」とノイズは答えて、蒼葉の横に身を横たえた。手を伸ばして、彼の身体を抱き寄せる。ノイズの胸に頭を預けた彼は、安らいだ表情をしていた。しかし、日向でまどろむ猫のような有様の癖に、言うことはなかなかしっかりしている。
「……お前さ……ひとりで、抱え込むなよ……。俺がいろいろ……お前に教えるって約束、したんだから……困ったことが……あるなら、きけよ……」
「寝ぼけながらも年上面かよ、まったく……」ノイズは苦笑したが、それでも胸に何とも言えない心強さがじんわりと広がっていくのを感じた。「困ってねぇよ。ただ、今のあんたとライムで闘ったら、どんな風かなって考えてただけだ」
「お前……そればっか」少し拗ねたように言った蒼葉だったが、すぐにすらすらと話を続けた。「……分かってるって……。ライム……来週の、金曜日な……。場所は、お前と初めて会ったとこ……いいだろ……?」
 蒼葉の言葉にノイズは目を丸くした。蒼葉はもともとライムに乗り気ではなかったため、再戦もノイズが何度もせがまなければならないだろうと考えていたのだが――。
「あんた、再戦のこと、ちゃんと考えてくれてたのか……!?」
「……」
 驚いて尋ねたノイズだが、返ってきたのは蒼葉の平和そうな寝息だけだった。こういうところが、勝てないと思う。
「……あんた、結構、大物なのな」
 ノイズは呟いたが、その声音は自分で思ったよりも甘かった。



 再戦後。蒼葉に敗れたノイズは、何とか彼に別れを告げ、自宅へ戻ってきた。部屋に入った途端、苦しいような悲しいような疲れたような感覚に襲われて、どさりとベッドに倒れ込んだ。
 ライムに敗けた。それも、技術的には敗北するはずのない蒼葉に。そのことが、ひどくショックだった。
 自らの身を犠牲にして、全力の攻撃を仕掛けてきた蒼葉。その決断力に、到底、敵わないと思う。おそらく、自分ならば自分自身が傷つくほどのダメージを負うリスクを選択してまで、勝ちに行こうとはしなかっただろう。
 蒼葉はノイズがほとんど知らない皮膚感覚というデータを持っているのだ。感覚は、他人との共感のためのツールにもなり得る。感覚の経験値が高ければ、その感覚を得た他人がどう考えてどう行動するかを、ある程度予測することができるだろう。今回、蒼葉はノイズが覚え始めた痛みの感覚について、予測を行って勝った。ノイズには、できない勝ち方だ。
 ノイズは改めて、自分が皮膚感覚の欠落と共に生きてきたことを悔しく思った。けれど。

『――俺が教えてやるよ』

 かつて、プラチナジェイルで蒼葉が言った言葉を思い出す。皮膚感覚が戻ってきた今、少しずつそれを学んでいけばいいのだとノイズは自分に言い聞かせた。

 痛み。熱。
 蒼葉の柔らかさ。暖かさ。
 抱きしめたら、どんな感覚があるか。

(――いや。それじゃ、駄目だ)
 不意にノイズは思った。プラチナジェイルを出て以来、自分はずっと蒼葉の傍にいて彼について学んできた。彼は優しく、熱く、暖かかった。今のノイズの感覚世界には、ほとんど蒼葉しか存在しない。
 だが、それでは駄目だと気づいた。
 自分は赤子のように蒼葉に甘えたいのではない。彼に相応しい男になって、彼の隣に立ちたいのだ。そのために、今の居心地のいい場所でまどろんでいるわけにはいかない。
(俺は自分自身の皮膚感覚を使って、他人意思を伝達し合っていかなければならない。時には、それを武器にしなければならない……アイツがしたように。相手はアイツのように優しくて暖かい人間ばかりじゃない。俺は、自分自身で学ばなければならないんだ……)
 冷たさ。暗さ。硬さ。そうした感覚も知らなければならない。そのためには、自分自身が捨てた『あの場所』と――『家族』と対峙しなければならない。
 ノイズは一人きりのベッドで、静かに決意した。

 翌日、ノイズは碧島を出た。誰にも――蒼葉にさえも告げずに。



2012/05/12
■パロディ「シキアキが幼馴染だったらの話」
5/6のメモの内容を書いていたら妄想が広がったので、文章化してみました。


2012/05/06

昨日は子どもの日でしたね。

・シキアキで幼馴染

去年の夏ごろ(←もしかしたら、ログ取り忘れ分かもしれません)、メモでシキアキが子どもの頃から知り合いだったら……という妄想を書いたのですが、子どもの日ということでその妄想を少し発展させてみました。

孤児院にいたアキラは、あるとき、子どものいない夫婦に引き取られる。その夫婦はシキとリンの邸の住み込みの使用人で、アキラもシキたちの邸の中で育ち、兄弟とも仲良くなる。シキやリンは多分父親が教育の一環として武道の稽古をつけたりするけど、アキラは使用人の子どもなのでそういう稽古とかはない。けど、二人と遊ぶときに教えてもらったりして、自然と素養が身について強くなっていく。
子ども時代はそんな風に過ぎていくわけです。で、成長して、シキが第三次大戦に出征する。アキラとリンはしばらく邸に残っていたものの、リンの母親(シキの父の愛人)が亡くなると、リンは父親と折り合いが悪くなって家を飛び出してしまう。で、第三次大戦終戦。シキは戻らなかったけれども、どうやら生きているらしいという噂が流れてくる。一方、家を出たリンはいつしか若者たちを従えて、チーム“ペスカ・コシカ”のリーダーとなっている。そんなとき、“ペスカ・コシカ”が何者か(=実際にはシキなわけですが)に壊滅させられる。どうやらそれは、シキの仕業らしいということで、復讐心に駆られたリンはシキの跡を追って、旧祖地区へ入ってしまう。
そんな中、シキの父親が病に倒れ、危篤状態に。後継者を指名しなければならない状況になったときに、使用人の中からアキラが(実はリンがシキを仇として倒しに行ったことを憂いていたので)シキとリンを探しに行くことを申し出るわけです。で、シキの家は政府の有力者にツテがあるので、トシマへ行く段取りとか、本編でエマが用意してくれてた偽タグなんかも準備してくれる。アキラはそうしたバックアップを受けて、魔窟トシマへ。

トシマではイグラを吹っ掛けられたり、処刑人に追いかけられたりしながらも、何とかリンとシキが闘って傷つく前に、アキラがシキに遭遇する。そこで、アキラがシキに問いかけるわけです。
「あんた、なんでリンの仲間を殺したんだ!? あんたは優しい奴だ。きっと、何か理由があるはずだ」
もちろん、シキには理由があって、“ペスカ・コシカ”はヤクザのシマに手を出して粛清されそうになってたんだけど、リンを死なせたくなかったから自分が粛清役を引き受けたとか、チームの人間がある程度出払っている時間を選んだとか、現場から逃げた奴は追わなかったとか、いろいろ手加減はしていた。けれども、やっぱり粛清はしなければヤクザが納得しないからある程度は犠牲にしなければならなくて、結局チームの半分くらいは斬らねばならなかったこととかあるんですが、シキの性格だからそういうことは絶対に説明しない。リンにもアキラにも言わずに非道と罵られる道を選ぶわけです。でも、アキラは何が何でもシキの真意を知ろうと食い下がるので、いらいらしたシキはアキラをちょっといたぶってみせる。
多少アキラを痛めつけたくらいでシキとしては十分だったけど、トシマで怪我をしたアキラを放り出しておくとどんな目に遭うかわからないので、「勝者は敗者を好きに扱っていいんだ」と理屈をつけてアキラを隠れ家に連れ帰る。それでもアキラがシキを信じている様子なので、どうしても信用を捨てさせたくて、シキはアキラに手を出して強引に関係を持ってしまう。

強引に関係を持った後で、シキは「これでアキラも俺を信じなくなるだろう」とほっとしながら、アキラの寝顔を見る。そこで、見ない間に成長して綺麗になったとか、それでも面影があるとか、最中のアキラの艶やかさなんかを思い出してしまって、アキラから離れがたく感じる。そこで、幼い頃から自分がアキラに抱いていた感情に気付かされるという。


2012/05/04

クリアEDの感想です。ネタバレを含みます。

・クリアED

クリア、最初出て来たときはガスマスク+変わった言動で、ちょっとルートに入るのが不安でした。が、後半、彼の抱えているものの大きさが分かって、健気さに必死で応援してしまいました。
東江の前での戦闘シーン、自分自身を破壊してまで闘うクリアの姿は凄みがありましたね。自身を機能停止寸前まで破壊して闘うというのは、人間には不可能な、まさに修理可能なアンドロイドならではの闘い方だと思います。でも、自分を破壊するという選択は、彼の兄弟も驚いていたように、普通のアンドロイドにはない選択肢なんですよね。クリアの中に生まれた『人間らしい心』によってそれが可能になったという。

ところで、クリアEDのグッドとバッドですが。クリアはとにかく蒼葉が好きで、少しでも近づきたくて「機械である自分が人である蒼葉に歩み寄った」のが、グッド。「機械である自分は人にはなれないから、蒼葉を自分の方に引き寄せた」のがバッド。という感じでしょうか。
しかし、バッドED。蒼葉を機械化しようとするクリアですが、本当にそれは可能なのか。
セイが自分の意識の分身をネットワーク上に作っていたところを見ると、蒼葉の意識をデジタルに変換して機械の身体に宿すことは、まぁ、可能なのかもしれません。でも、EDの蒼葉の状態を見ていると、かつてのクリアが惹かれた蒼葉の心は消えかかっているような。『欠陥』を直されたクリアは気にしていませんが、蒼葉を求めるクリアの手で蒼葉の心が殺されていくのは、何というか、皮肉な話だなと思います。

対してグッドED。エンディング前のR−18シーンは、萌える以前にある意味壮絶で、思わず泣いてしまいました。でも、ここでクリアが我が身を顧みずに、お互いの存在をお互いに刻んだから、エンディングで蒼葉はクリアのことを諦めずにいられたし、クリアは蒼葉の元へ戻って来たのでしょうね。


クリアは、告白と共にキスしたり、星の下で傘を差したりと、結構、可愛らしいシーンがあった気がします。個人的には、蒼葉の家のベランダで星空の下で傘を差して「星が降って来そうなので」というシーンが大好きです。
なので、もう一度言ってほしくて、妄想してみました。他ルートに出てくる真相も少し入っています。




***



 クリアが戻って来てしばらくが経った。彼は時折ふらりとおじいさんとの過ごした場所に帰ることがあるが、おおむねは俺の家に滞在している。ばーちゃんともすっかり馴染んで、楽しそうだ。
 頭の中にいた「もう一人の俺」が消え、クリアが戻って来て穏やかな日々を過ごすうちに、俺は少しずつ忘れていた過去の記憶を取り戻し始めていた。まだ完全ではないけれども。
 そんなある日のこと、俺はクリアと共に浜辺へ散歩に出かけた。まるで幼子のように無垢な彼に、いろんなものを見て聞いて、世界を知ってほしかったのだ。
 碧島のあの浜辺は、俺にとっては父さんと出会った思い出深い場所だ。そんな場所に他人であるクリアを連れて行こうと思ったのは、彼にあの風景を見てほしかったからだ。――それは、もしかすると、俺のことをもっと知ってほしいという欲求だったのかもしれないが。
 俺たちがのんびり歩いて浜辺にたどり着いたとき、ちょうど太陽が海に沈んでいくところだった。西に傾く夕日が、青い空と海を薔薇色に染め上げていた。その光景を見た途端、クリアは子どものように素直に歓声を上げた。
「見てください、蒼葉さん! 綺麗です!」
 クリアは浜辺の砂や流木、打ち上げられた貝殻など見るものに興味を示し、一つ一つ指さしては俺に教えようとした。いつの間にか自然と、俺は子どもの頃に戻ったかのように彼の驚きや感動を共に感じ、波打ち際で歓声を上げた。
 そうしているうちに、時間はあっという間に過ぎて、夜が訪れた。辺りはもう暗くなり、空には無数の星が瞬いている。その空を見上げるうちに、以前クリアが俺の部屋のベランダで、星が降ってきそうだと言って傘を差していたことを思い出した。そのときだった。
「蒼葉さん。ここは、蒼葉さんの大切な場所なんでしょう? 表情を見ていて分かりました。今日は、連れてきてくださって、ありがとうございます」穏やかな声でクリアが言った。
「そんな、礼を言われるほどのことじゃない……。――ここはさ、俺が父さんに初めて会った場所なんだ。それまで俺は自分の世界に閉じこもって、誰にも心を開けなくて……そんなとき、ここで出会った父さんが言ったんだ。“怖くないから、自分の世界から出ておいで。世界はいつでも、壊すことができる。壊して、その後に新しい世界を作ればいいんだ”それから、俺は他人と接することができるようになった」
「そのおかげで、蒼葉さんは僕を救ってくれたんだ」
「俺はさ、お前の言葉に父さんと同じ言葉の力を感じるんだ。以前、お前は星空の下で傘を差して、“星が降ってきそう”って言っただろ? 空の星が雨みたいに降らないのは常識だ。でも、常識に囚われないお前の言葉は、俺の凝り固まった世界を少し、壊してくれる。……えぇと、何が言いたいかっていうと、お前は俺に救われたって言うけど、俺だってお前に救われてるからお互いさまだってこと」
「そうですか。お役に立てて嬉しいです」
 微笑んだクリアは、どこからかビニール傘を取り出してきて、広げた。どっから出してきたんだ、それ。目を丸くする俺に傘を差しかけて、彼は言った。
「――星が降ってきそうなので」




2012/05/02

・アキラの憧憬とシキ

「みんなでパーティ5」を書いていて思ったのですが。
アキラがトシマでシキに惹かれたきっかけは、彼の強さや揺るぎなさなのだろうと思います。本編中、刀を手入れしているシキを見て綺麗だと思ったり、凛とした背中を好ましく思ったりしていることから、そうなのだろうな、と。
そして、シキもアキラが自分の何に惹かれているか、(無意識にかもしれませんが)感じ取っていたのではないかと思います。

旧祖地区を脱出するトンネルの中で、シキがアキラに「ここを出たらどこへでも好きなところへ行け」と言ったのは、宿敵を喪ったことで自分の芯が折れたこと(=アキラの理想ではなくなった自分)を感じ取り、アキラが自分に失望する前に去れるように計らったつもりだった。そういう見方もできるのではないかと、思います。きっとトンネルの中にいた時点でシキは既に、今後、自分はアキラの理想に反して弱くなるだろう、と予見してたのではないかと。ただ、シキとしてはED1で自分の意思で動かなくなったように、正気を失っても生きながらえるつもりはなかったのかもしれません。根拠はないのですが、シキの性格からしてアキラと別れたら、自分の生命を狙ってくる刺客か何かとの闘いの中で死ぬか、どこかでひっそり自ら死ぬかする覚悟だったのではないかとも思います。
それが、シキがわざわざ彼の言うところの『弱さ』(=ここでは宿敵を喪ったために正気を失った姿)を晒してまで生きたのは、やっぱりアキラが傍にいたからなのでしょうね。

結局、ED1のアキラはシキの「好きなところへ行け」を拒絶して、傍に居残ります。でも、トンネルでシキの提案を拒絶した時点では、アキラはシキがどういう気持ちで去れと言ったのか、今後、何が起こるのかを理解してはいなかったような気がします。(というのも、トンネルの時点ではシキへの想いは確定した感じではなくて、何となく離れがたいから傍にいるという感じを受けるので。)実際、シキの傍に残って、シキが正気を失って、そのシキを守らなければならなくなって。そうした過程はアキラにも過酷な経験だったでしょうが、その過程を経ていく中でゆっくり自分がシキの傍に居続ける理由を見つめ、本当の意味でシキの弱さを見据えて受け入れていった。その結果が、ED1で自らの意思で動くことのなくなったシキを守るアキラなのではないかと思います。





5/2 「パーティのお話の新作、読ませていただきました〜」の方へ
新作、さっそく読んでいただいてありがとうございます! シキが動くまでが長くて、大変、お待たせしてしまいました。ほっとしていただいたとのことで、お話の成り行きをすごく温かく見守っていただいていたのですね。とても嬉しかったです!
ゲーム中のニコルと非ニコルが共鳴する様子から考えるに、同じ血の宿命を持つアキラとnは、案外、誰よりも言葉を超えた部分で共感しやすそうな気もします。でも、ニコル体質でもなく、アキラと引き合う根拠もないけれどもアキラに惹かれるシキとしては、自分には絶対に手の届かない部分(=血の宿命)でアキラとnに共感されたら、焦って仕方がないでしょうね。コメントの中で仰っていた通りだと、私も思います。
捏造いっぱいのパーティのお話ですが、好きと言っていただけて幸せです。最後まで、楽しんでいただけるように、頑張って書きますね!

















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