2012/10/28 ハロウィンですね。 ハロウィン→モンスターと連想していたら、最近、海外ドラマのスーパーナチュラルを見ていたので、モンスターを狩る側の小話になりました。 キラル主人公四人(といいつつ、蓉司は留守にしていますが)がメインで出てきます。 『魅了』 駅裏の古い雑居ビルの五階にある『キラルスタッフサービス』。いつものように、アキラはその事務所の立て付けの悪いドアを開いた。ギィっという音に被せるように、「ただいま」と室内に声を掛ける。 と、客用のソファにだらしなく寝そべって、PSPをプレイしていた青年が顔を上げた。まだあどけなさの強い容貌に映える、勝ち気そうな琥珀色の瞳と目があう。 「おかえり、アキラ」 青年――コノエは、まるで飼い主にちょと愛想を見せる猫のように、ちらりと微笑を浮かべた。が、すぐに真顔に戻ってゲーム機の画面に視線を戻す。何をプレイしているのかは分からないが、とにかくゲームが重要な局面のようだ。 「コノエ、蓉司と蒼葉はどこだ?」 「……んー……蓉司はいつもの奴に“レンタル”されてる。……蒼葉はー奥で……電話中……。――あ! ゲームオーバーだ……!」 「何をプレイしてるんだ?」アキラは尋ねた。 「この間、発売された『ファンタジー・オブ・ソード』だよ」 「お前、RPGが本当に好きだよな。お前の持ってる“能力”のが、よっぽどファンタジーだと思うけど」 「アキラも俺のこと言えないと思う。……それに、自分が多少変な力を使うのと、RPGは別腹だ」 現実で“能力”使ったって、RPGほど楽しくないし。そう唇を尖らせるコノエの頭をくしゃりとひと撫でしてから、アキラは事務所の奥へ進んだ。そうすると、コノエの言った通り電話の声が聞こえてくる。 「――はい、『キラルスタッフサービス』です。……はい、そうですね……我が社では、様々な能力を持つゴーストハンターを取りそろえております」 アキラがドアを開けて中へ入ると、デスクに座って電話をしていた青年がちらりとアキラに視線を投げた。青みがかった長い髪に、青い目。年相応の落ち着きとガキっぽさとが同居しているかのような雰囲気を持つ彼――蒼葉は、『キラルスタッフサービス』の代表で事務員、さらには派遣スタッフとしての仕事もこなす。色々な意味でマイペース人間ばかりの『キラルスタッフサービス』の中では、最も働き者でしっかりしていると言えるかもしれない。 ――お・か・え・り。 蒼葉は通話の合間に口パクで言って、電話を続けた。 「――攻撃能力の高いハンターがご希望ですか? ハントの対象は……あぁ、ヴァンパイア。……でしたら、ちょうどうってつけのスタッフをご用意できます。…………直接面談をしてから? ……えぇ、可能です。……それでは、お待ちしております」 やがて、通話を終えた蒼葉は受話器を置き、アキラを振り返った。 「アキラ、仕事はどうだった? コノエか俺が一緒に行ってやれたらよかったんだけど、悪かったな」 「別に。低級霊の駆除ぐらい、一人で楽勝だ」 「分かってるさ。けど、何かあったら大変だろ? コノエの派遣も、今日になって派遣先がキャンセルしてくるなんて、思ってなかったんだ。悪い」 「どちらにしろ、俺の能力はコノエやあんたの能力とは、あんまり相性がよくない。気にするな」 アキラは淡々と言った。 『キラルスタッフサービス』と会社名を名乗り、派遣会社として宣伝しているが、アキラたちの関係は、実は遠い遠い親戚だ。蒼葉の実家である瀬良垣家を本家とする、悪霊払いの家系である。アキラやコノエもごく薄くだが血の繋がりがあり、悪霊払いのための能力を持って生まれた。 アキラは体術・呪術共に攻撃に特化した術者だ。さらに『非ニコル』という特殊な体質で、アキラの体内に流れる血は不浄を浄化する。血を聖水代わりにすることもできるし、吸血鬼などはアキラの血を口にすれば死んでしまう。 アキラより二つ年下のコノエは、優れた体術を身につけている。呪術の方は補助型だ。パートナーを治癒・強化したり、敵の呪力を弱めたりという術を主として使う。唄で呪術を発動する特殊な術者で、『賛牙』と呼ばれていた。ただ、彼の術は血液からして清浄で一切の魔を寄せ付けないアキラには、効果がない。相性が悪いというのは、性格的な問題ではなく、純粋に呪術的な意味を言う。 二十三歳で『キラルスタッフサービス』のスタッフ中では最年長の蒼葉も、アキラとの呪術的相性の点ではコノエと同じだ。蒼葉の場合は純粋に攻撃型の術者であり、要するにアキラと能力が“かぶって”いる。更に言えば、蒼葉の専門は現実世界ではなく、ネット上に現れる現代特有の亡霊やモンスターの駆除だった。『暴露』という本来は人の心に入る能力を使ってネットの仮想空間に入り込み、亡霊などを払う。 唯一、アキラと相性のいい呪術を使えるのは、今は“レンタル”中で留守にしている崎山蓉司だった。蓉司はアキラと同い年だ。生まれつき病弱なため、体術はさほど使えない。ただ、呪術の方ではどんな不浄も寄せ付けない結界を張ることができ、永久に不浄を封印する術も使える希有な術者だった。そんな彼がアキラとはまた違う清浄な体質で――『人身御供』体質とでも言えばいいのだろうか――魔に狙われやすいというのは、皮肉な話だ。 だが、蓉司は近頃、非常に相性のいい攻撃型のゴーストハンターと出逢ったらしく、彼と共に行動していることが多い。それでもいいと、『キラルスタッフサービス』の代表たる蒼葉は言っていた。魔を払うというのは、瀬良垣の血筋に生まれついたからには宿命のようなもの。だとしたら、その宿命を生きるために共に歩める相手を見つけるべきなのだ、と。 蒼葉の言葉は理解できる。そもそも、一般的にゴーストハントは基本的には、二人以上で行うものだとされている。ハンターの危険を軽減するためだった。けれども、アキラは一人で戦えるならばそれに越したことはないと思っている。他人に頼れば、人は弱くなるものだからだ。そして、その心の弱みに魔はつけ込む。 「――蒼葉、アキラ!」 不意にコノエが部屋に駆け込んできた。まるで尾を踏まれた猫のような顔をしている。 「どうしたんだ? コノエ」アキラは尋ねた。 「客……。お客さんが来たよ。っていうか、この時間に来客予定なんかあったっけ?」 そう言うコノエの顔には、困惑が浮かんでいる。せっかく暇だと分かっていたからソファでゲームをしていたのに、とでも言いたげだ。 「来客予定な。あー、今さっき、アポ入ったんだわ。まさかこんなに早く来るとは思わなかったけど、言わなくて悪かったな」 蒼葉はくしゃくしゃとコノエの頭を撫でて宥めた。次いで、アキラに向かってついて来るようにと目配せする。 「……俺?」アキラは自分自身を指さして、首を傾げた。 「そ。相手はお前を“レンタル”したいって指名してきたんだ」 言われるままに蒼葉について、アキラは応接室に戻った。と、先ほどまでコノエが寝ころんでいたソファには、黒ずくめの長身の男が座っていた。黒髪に紅い目、ひどく整った容貌。相手のあまりの美しさに、まるで人間の振りをした魔物のようだとアキラは思った。だが、男から感じられる気はアキラや蓉司ほどではないにせよ、人間としては清浄な部類だった。 「ようこそ、シキ様。今回は『キラルスタッフサービス』のご利用、ありがとうございます」 蒼葉が言うと、シキと呼ばれた男は顔を上げた。紅い目が品定めするような視線をアキラに投げかけてくる。その眼差しに、アキラは反発と同時に胸がざわめくような感覚を覚えた。 どうしようもなく、紅い目に惹きつけられる。視線を逸らすことができない。――目の前のシキという男が、『魅了』の呪いでも掛けたのではないだろうか。アキラは一瞬、かなり本気で疑った。 「――俺が要望した攻撃型の術者は、この男か」 シキはアキラに目を向けたまま、蒼葉に尋ねた。 「はい。アキラといいます。ウチの中では最も攻撃力の強い術者です」蒼葉が答える。 「いい目をしている。それに、まとう気も清浄で、しなやかで、荒々しい。……気に入った。この術者を借りる」 「なっ……! 待てよ! 俺はまだ契約に同意してないっていうか、契約や狩りの内容についても聞いてないぞ!」 思わずアキラは反論した。が、蒼葉に肘で脇をつつかれる。おそらく、うまみの多い契約だから取りあえず受けておけ、とでも言いたいのだろう。 それでも、アキラにしてみれば冗談ではなかった。目の前のシキという男は、危険だと感じていた。このまま親しく接すれば、それこそ『魅了』の呪に掛かったかのように絡め取られてしまうのではないか。そんな漠然とした不安があった。 けれども。 「――仕事内容は、ヴァンパイア狩りへの同行だ。詳しい契約内容は、聞いておけ。一日だけ、待ってやる。明日までに心を決めて、連絡してこい」 シキはソファから立ち上がると、コートから名刺を取り出してアキラに渡した。そのまま、あっさりと踵を返して事務所から出ていってしまう。彼の姿が消えると、急にアキラは寂しくなったような気がした。 「……アキラ?」 不意に蒼葉に声を掛けられて、アキラは我に返った。 「蒼葉……。あいつ……あのシキって男……魅了の呪でも使ってたのかな?」 「はぁ……? 魅了の呪って、何でまた」 「いや……あんたが感じなかったなら、俺の勘違いだと思う……」 「アキラ、何だか変だぞ。具合が悪いなら、シキの仕事は断るか? ヴァンパイア狩りは最も危険な部類の狩りだしな」 「い……いい! 大丈夫だ。ちゃんとやれる。いっぺんはヴァンパイア、相手にしてみたかったし……」 早速、シキに連絡しなくては、とアキラは急いで奥の部屋に入っていった。 アキラの後ろ姿を見送った蒼葉は、苦笑と共にため息をついた。 「魅了の呪、ねぇ……」 シキが魅了の呪を使うなど、あり得ない話だ。アキラは知らないことだが、彼は関東のさる由緒ある神社の跡取りで、魔とは無縁の人間なのだから。 「……そういえば、蓉司も今のパートナーの城沼哲雄と出逢ったときに、魅了の呪を掛けられたみたいだって言ってたな」 結局、魅了の呪を掛けられたというのは勘違いなのだろう。真実は――。 「まったく、ウチの身内はみんな鈍くて困る」 蒼葉は小さく肩を竦めた。 とりあえず、『魅了』のお話は、自分がシキに惹かれている自覚もなく「チャーム掛けられた!」と焦るアキラを書くのが目標でした。 キラル主人公四人がみんな大好きです。 オリジナルBL作品も幾つか読む機会があったのですが、いろいろ比較してみたところ、キラル主人公はどの作品もいざというときになったら腹を括って問題に立ち向かう男前なところがあるから、惹かれるのだろうなと思いました。もちろん立ち向かう方法は戦闘であったり、そうでなかったり、そのときどきで色々ですが、その姿勢が個人的にツボなんだな、と。 2012/10/21 ・シキアキと秋 秋ですね。秋といっても食欲とか運動とかいろいろあると思うのですが……シキとアキラだったら読書の秋がイメージしやすいかなと思います。 特にシキは本が好きそうなイメージ。アキラは一見、あまり本を読まなさそうだけど、高嶺さんになる要素があるのだから、きっかけがあったら読書家になるのだろうなと思います。ED1シキ復活後とかだったら、シキがいつも読書してるから自分もしてみたい→シキが本を勧める→読書が楽しくなるという流れとか、ありなんじゃないかなと。 シキ読書中。アキラはちらちらとシキを見ている。 シキ「……どうした? さっきからやけに俺を見ているな」 アキラ「そ、そんなことは、ないけど……」 シキ「嘘を吐け。昼食後から数えて、もう十六回はこっそり俺の方をうかがっていた」 アキラ「数えてたのか!?」 シキ「いや、嘘だ。だが、やけに俺を見ているのは事実だろう」 アキラ「……あんた、よく本を読んでるから」 シキ「構ってもらえなくて寂しい、と?」 アキラ「それもちょっとあるけど……そーじゃなくて! 読書、そんなに楽しいんだなって思って。俺は昔からあんまり、本は読まない方だったから……」 シキ「……読んでみるか?」何冊か積んである自分の本の中から、一冊取り出す。 アキラ「え! でも……あんたが読む本なんて、内容が難しいだろ。俺に読めるかどうか……」 シキ「お前は俺に夢を見すぎだ。俺とて、いつも小難しい本ばかり読んでいるわけではない。その本は、比較的、読みやすい内容だ。……お前が気に入るかどうかは分からんが、そこは好みの問題だからな」 アキラ「……読んでみる。ありがとう、シキ……」 シキがアキラに貸した本は、ちょっと想像しきれないのですが、SFとかファンタジーとかミステリとか、シキがあまり読んでいるイメージがなさそうな本がいいと思います。で、読みだしたら面白くて、アキラもはまってしまうという。 で、夜になって。 シキ「……アキラ、まだ読んでいるのか?」 アキラ「……うん……もうちょっと、この章が終わるまで……」 シキ「十分前にもそう言っただろう」 アキラ「ごめん……。もうちょっとだから……」 シキ「……」いきなり本を取り上げる。 アキラ「何をするんだよ! いいところなのに!」 シキ「本はまた明日でも読めるだろう。だが、今日の夜、今このときは一度しかない」 シキがアキラの肩を抱き寄せる。アキラ、呆れたように微笑する。 アキラ「しょうがないな。分かったよ。確かに、今このときのあんたに触れることができるのは、今だけだよな。明日は、また違うあんただ」 シキ「あぁ、お前も、また、明日は別のお前だ。だから、今のお前を俺に確かめさせてくれ……」 ここで暗転。 みたいな感じが萌えます。 10/19「メモに書かれていた「背中」に大変萌えさせて頂きました〜」の方へ メモの小話を読んでいただいて、こちらこそありがとうございます!萌えていただけて、嬉しいです! ご想像の通り、「背中」はED1でシキが眠ってしまう前のつもりで書きました。何となく、ED1シキは(それまでは闘い一筋で生きてきたのにも)アキラと相愛になっていく自分を受け入れられなくて、けれども本能的に惹かれることは止められなくて、葛藤の末に眠ってしまったという面があるのではないかなと思います。同時に、コメントで仰っている通り、お互いに心通わせた記憶があるからこそ、アキラは眠ったシキの傍にいるし、シキもう一度、現実に戻って来られるのだと思います。なんというか、ED1の二人は切ないですよね。 それから、パンドラの箱、楽しんでいただけて、よかったです!個人的に、シキが可愛いと言っていただけて、嬉しくてニヤニヤしてしまいました!ED3のシキ、私も今までは可愛いイメージではなかったんですが、最近はアキラを繋ぎ止めて麻薬王になっていくシキの心理状態とかを考えてみると何だかいじらしくて可愛いなと思ってしまいます。この萌えを共有していただけて、嬉しいです! 2012/10/14 だんだん朝晩の気温が下がってきて、寒く感じるようになってきましたね。 寒さといえば。 トシマ脱出後のシキアキで、まだラブラブには到達しないお互いに遠慮のある二人が、寒さを言い訳にしてベタベタしていたら非常に萌えますよね! 『背中』 明かりを消した部屋の中で、シキの背中がカーテンの隙間から差し込むネオンの明かりに浮かび上がっている。久しぶりに宿を取ったというのに、生憎すぐに眠気が訪れてはくれず、アキラはぼんやりとシキの背中を眺めていた。 今日の宿はツインの部屋がなかったため、ダブルの部屋に泊まることになった。成人男性二人、しかもシキのような長身の相手と一緒にベッドを使うのは、普通なら寝にくいと感じるかもしれない。だが、アキラもシキも野宿は当たり前の生活に慣れており、基本的にはどんな場所でも眠ることができる。ベッドが少し狭いくらいは、問題ではないだろうと思っていた――最初は。 だが、実際に寝てみると、眠れない。 (何でだろう……?) 闇の中で、アキラは首を傾げた。とくとくと、なぜか妙に胸が騒いでいる気がする。そういえば、ベッドに入って早々にこちらに背を向けてしまったシキは、寝にくいとは感じなかったのだろうか? と、そこまで考えたところで、アキラは自分が妙に落ち着かない理由に思い至った。 ――きっと、シキのせいだ。 トシマからもう何度も、アキラはシキに抱かれている。しかし、こうして同じベッドで何もせずに、ただ眠ったことはない。何だか緊張する気がするのは、たぶん、そのせいだ。 (……って、別に今からシたいわけじゃないけど……)アキラは慌てて、自分に言い聞かせた。それでも、自分の思考のせいで、何だか猛烈に恥ずかしさがこみ上げてくる。 アキラは隣に眠るシキを、意識から追い出そうとした。が、気にしないでおこうと思えば思うほど、気になってしまう。相変わらず、ネオンに照らされて微動だにしないシキの背中に、不意に触れたくなった。 何せ、トシマから自分がずっと、追いかけ続けている――これからも到達できないだろうと思っている背中だ。触れることができるのは、行為の最中に我を忘れる瞬間だけ。 そう思うと無性に寂しくなって、それでも安易に手を伸ばすことはためらわれて、アキラは静かに距離を詰めた。触れないままにごく僅かの距離を空けて、シキの背中に寄り添う。 その途端、シキが声を発した。 「……どうした? 眠れないのか?」 「いや……。もう、結構、冷える季節だろ? あんたは体温が低くて身体が冷えそうだから、暖めてやろうと思って」 真実は言えずに、アキラはそう誤魔化した。と、シキが寝返りを打って、アキラの方を向いた。 「余計な世話だ。……だが、せっかくのお前の申し出だ。暖めて、もらおうか」 言うが早いか、シキは腕の中にアキラを抱き込んだ。アキラは黙ってシキの胸に顔を埋めながら、彼の身体に自分から腕を回した。彼の背中に衣服越し触れて撫でる。 これが理性のあるうちにシキの背中に触れた、初めてのときとなった。 2012/10/07 ・毛布をかぶるアキラ もうすぐハロウィンですね。ハロウィングッズの白いシーツみたいなお化けを見ていて、ふとアキラがああいう毛布とかシーツとかを頭からかぶってる図を連想したらツボにはまりました。 ポイントは、身体に巻き付けるのではないこと。温泉に入る番組とかの女性リポーターのように肩は出して身体に巻くのも、それはそれで萌えますが、可愛いというより色っぽい感じですよね。今回はそちらはさておき、子どもみたいにシーツを頭からかぶっているアキラのシチュについて語りたいと思います。 アキラは成人(あるいはそれに近い)男性なわけで、性格から考えてもなかなかシーツを頭からかぶるという行為はしなさそうな感じ。ではあるんだけれども、だからこそ、ふとシーツをかぶってたりしたら萌えます。 で、どういう状況ならそれが起こりえるかと考えたのですが。 とりあえずED1シキ復活後だとして、シリアス方面で考えると。アキラは孤児院育ちで里親との関係も上手くいかなかったようだし、非ニコルのことでケイスケを喪ったりと悲しい目にも遭っています。ED1の場合は、シキが眠ってしまった後、目覚めるまでの間、シキが復活するだろうことをひたすら信じて一人でシキを守って闘いつづけました。そういう苦労とか悲しさとか辛さは、シキが目覚めて幸せになったあとも、やっぱりアキラの心の中には残っている。で、普段は全く表に出てこないんだけど、ときどき病気なんかで弱ったり、シキと長期で離れる必要があるときなんかに、ふっと心の表面に浮かび上がってきてアキラを苦しめることもあるんじゃないかな、と。 それがちょうど割と寒い時期とか風邪のときなんかで、シキが帰ってくるまでぼーっとシーツをかぶったまま待ってる。自分がなんとなく落ち込んでることを知られたり、シキに心配されたりするのは嫌なので、シキが帰ってくる気配がしたら寝床にもぐりこんで寝たふりをしておくつもりで。でも、うとうとしてしまって、結局、シキに見つかってしまってアキラはちょっと気まずく感じたり。 シキはアパートに帰ってアキラがシーツをかぶったままうとうとしてるのを発見して、びっくりする。だけども、そこはある程度長い付き合いになってきたし、そもそも長男気質でもあるので、アキラの不安を察知して馬鹿にしたりからかったりするようなことはしない。で、ちょっと甘やかしてアキラをベッドに連れて行って添い寝してあげたりとかするといいなと思います。シーツをかぶってて、シキにからかわれると思っていたアキラは、意外なシキの行動に「あれ? なんか優しい……?」とちょっと照れて少し気分上昇しつつ眠ってしまって、起きたらまた元気になってる感じで。 ……と、これだとアキラがかわいらしいというより、いじらしい感じかも。 シリアスモードでなくても、単純にホラーが駄目なアキラが、シーツをかぶってシキの手を握りつつホラー映画を見るというほのぼのシチュもいいなと思います。(この場合、アキラは怖がりだけどホラーを見たい派とかで)。 ――ホラー映画(おそらく『リング』)鑑賞中。 シキ「……なぜそこまでして、ホラー映画を見る必要があるんだ?」 アキラ「だって、見たいんだよ」 シキ「……そもそも、この映画が本当に怖いのか?」 アキラ「そりゃ、あんたは怖いものなしだろーけど」 シキ「だが、お前もトシマにいたこともあっただろう。生命を狙われたことも。……そのときの方が、ホラー映画などよりよほど危機感があったはずだが」 アキラ「トシマのときとホラー映画は、怖さの種類が違うんだよ。だって、トシマにいた奴らとか刺客とか、テレビから抜け出てくる奴はいなかっただろ? 見たら呪われて死ぬってわけでもなかったし」 シキ「……まぁ、相手は一応は人間だったからな……。テレビから抜け出てきたら、別の意味で怖いだろうが……」 アキラ「な、怖いだろ!」ここぞとばかりに力説する。 シキ(微妙に論点が違うような気もするが……)シーツをかぶっているアキラが可愛いので、他はまぁいいかと思う。 こんな感じで。 2012/09/30 ■10月のお話の更新お休みのお知らせ 仕事の都合で、10月ひと月、多分、お話の更新をお休みすることになると思います。 メモは書けそうかなと思うので、なるべく通常更新で。もし駄目そうだったら、メモの更新も止まるかもしれません。 ■ED3「パンドラの箱1−3」 ここまでで「パンドラの箱」は一章目の半分くらい終わりました。 最近、恋人として成立したシキアキを書くことが多かった気がするので、お互いに相手を好きなんだけど想いが通じ合っていない両片思いの状態を書くのが新鮮で楽しいです。 ED3の二人だと、シキはアキラに惹かれていて、本能的にはアキラ大好きなんだけど、恋愛感情は甘さであり、弱さであると思っているから自分の気持ちを無視しきっている。それで精一杯冷たくして、アキラを侮辱するような行為に及んだりするんだけど、やっぱりアキラに惹かれることは止められなくて、ともすればアキラに優しくしたくなるみたいな感じかなと思います。 対して、アキラはシキは最初から自分を無理矢理抱いた相手だし、普段から馬鹿にされてるしで、シキを好きになる要素はまったくないけど、やっぱり理屈ではどうしようもない部分でシキに惹かれていて、どれだけ憎悪しても最後の最後で情が残ってしまうというか。ED3の二人のすれ違いは、そんな感じかなと思います。 ちなみに、シキはアキラが完全に狂気に堕ちて淫靡アキラになってしまったら、割と甘やかせる人のような気もします。というのは、シキ自身がニコルウィルスに狂っていて、アキラも狂ってしまったら、二人の中に『理性』が介入する余地がなくなるから。ED3のシキはニコルウィルスに打ち勝つためにnの血を飲んだのではあるけれども、心のどこかで自分がニコルウィルスに屈服したという引け目も持っていそう。なので、アキラが理性を失って、『ニコルウィルスを保持してなお、愛情という弱さに溺れる自分』を見て理解する存在がなくなると、安心するんじゃないかと。 ちなみに、第三者の目はどうでもいいのだと思います。まさに、シキとアキラ二人の世界。第三者は当事者のアキラと違って、シキがアキラを心から愛しているのか、いつかは飽きる玩具として愛玩しているだけなのか、本当のところは分からないでしょうし。 ただ、シキが優しくできるとは言っても、ED3アキラがシキの気を引くために他人と寝るのは別問題で、(というか、アキラがシキが激怒して自分に注目することを望んでいるから)そういう場合にはやっぱり苛烈なお仕置きが待っているのでしょうが。 なので、ED3の二人はいくところまでいったら、優しさも厳しさも際限ないのだろうなと思います。 2012/09/23 ・ヒーローもの 『スパイダーマン』が好きです。アメイジングもアメイジングじゃない前のスパイダーマンもどっちも。凡人が大きな力を手に入れて、一回はそれに溺れそうになるけど、力の弊害(叔父さんの死とか)を経験して正しく力を使おうと心がけるようになるという流れが、何かとても好みで。 で、ふと、シキがヒーローだったら……と考えてみました。 シキがヒーローというのは、本人の性格上すごく嫌がりそう。でも、シキは割と信念の人なので、ヒーローとかやろうと思えば(そして、それなりに強い敵がいれば)できそうなんじゃないかなと思います。でも、シキはスパイダーマンというより、バットマンなイメージかな(コートがマントに見えるから)。 ということで、シキがヒーローだったら。 舞台は『バットマン』のゴッサム・シティのイメージで、治安が悪く犯罪都市と化したトシマ。ただし、ゲームのトシマとは違って、治安は悪いものの普通の都市として機能している。 由緒ある家系の出で、親族の経営する企業の重役のシキ。裏の顔は夜な夜な悪を退治しているヒーロー。多分、シキは正義感から悪を罰するというより、昔は戦場で闘ってたけど、今は企業の重役にされちゃって身体が鈍ってるから悪でも倒してストレス解消するか的なノリでヒーローをやってると思います。ヒーローとして闘うときのコスチュームは、ゲーム本編の黒ずくめの格好で武器は日本刀。ヒーローだけど、悪人は容赦なく斬る感じで。本人にはあんまりヒーローとしての意識はない。 相棒(バットマンで言うところのロビン)は、アキラバージョンとリンバージョンを考えました。相棒=アキラの場合、アキラはシキが重役をやってる企業の社員で、シキの秘書。二人の関係は、ED2のシキアキみたいに、わりと主従が前面に出た感じだと楽しいです。 相棒=リンバージョンの場合は、自分の趣味で悪人を倒しまくる兄を「もう、しょうがないな!」とか言いつつサポートするリン。悪人との闘いの現場で、ときどき兄弟で口げんかしたりもします。で、喧嘩しながらも息ぴったりで敵を倒すシキ・リン兄弟。敵の人数が多いと「どっちが多く倒せるか競争だ!」と競争を始めることも。そんなリンの表の顔はハイスクールの生徒とかがいいなと思います。 ちなみに、リンが相棒の場合、アキラはヒロイン枠で。源泉のアシスタントで、ヒーローの記事を追っているうちに、シキと知り合うという展開がいいんじゃないかと思います。 で、シキとアキラは惹かれあう。シキは隠しておくのも面倒だからヒーローの正体をばらしてもいいかと思うんだけど、リンに「それだと、アキラが危険な目に遭うかも」というような理由で反対される。で、正体を隠して会ううちに、アキラはシキが何か隠していることに気付いて、「実は恋人がいるんじゃ……」と不安になったりして、二人の関係が上手くいかなくなった頃に、アキラが悪人にさらわれる。そして、ヒーローが助けに来て、正体が明らかに……という展開がお約束かもしれませんが、萌えます。 2012/09/15 ■ED3「パンドラの箱1−2」 「パンドラの箱」の性描写の注意マークの付け方を変更しました。1話目の冒頭に注意書きを追加しています。 変更の内容は下記の通りです。 ・「パンドラの箱」全体にわたって性描写やそれを匂わせる描写が多くなりそうです。 ・回をまたがるR-18描写も出てくると思うので、性描写のある話だけ*を付けるのではなく、全体としてR-18注意に指定したいと思います。ご了承ください。 ・特殊嗜好や過剰な暴力描写が出た場合は、その回の前で注意書きを付けたいと思います。 この前、コンビニでビックリマンチョコを久しぶりに見かけて、懐かしくなりました。シール集めたなぁ。 シキアキED2の世界だと、チョコの中に入っているシールはシキ総帥とか、アキラ親衛隊長とかその他ニホン軍の親衛隊の花形隊員とかなのかなと思います。総帥シールやアキラ様シールはキラキラホログラムで、普通バージョンは黒軍服なんだけど、レアな白軍服バージョンもあるとか。子どもから大人まで、様々な層に人気が出そうなお菓子だと思います。 2012/09/09 ・nの感情について 最近、占いにはまっています。12星座占いとか、各キャラの性格を解釈するのに参考になって、楽しいです。 12星座占いの本ではなかったのですが、とある占いの本で「相手の心の共感しやすいが故に、現実社会では傷つきやすく、かえって周りに心を閉ざして冷たい人間のように振る舞う」という記述があって、なんだかものすごく萌えました。 咎狗のEDを見ていると、シキやアキラ、それにnなど自分の心を隠している系のキャラは、まさにそんな感じだよなと思います。 ケイスケと喧嘩別れしたことで、ケイスケの大切さを思い知って行方を探すアキラ。 (はっきりした描写はありませんが)仇討に来た実弟のリンを殺さなければならなず、無意識のうちにひどく落ち込んでいたシキ。 そして、戦闘兵器として生きてきたものの、本当は対なる存在の救いを求めていたn。 アキラやシキについてもこのネタで語りたいのですが、よく考えたら普段から散々同じような話で語っているので、今回はnについて考えてみます。 nはシキ視点からは、完全な戦闘兵器で感情を失った機械のような人間として描写されています。で、シキはそういうnを嫌悪しながらも、nの強さに憧れを抱いているという。でも、アキラ視点から見たnルートだと、nは感情を持つことを許されずにずっと押しこめてきたために、感情表現が不器用になてしまった人間という印象になります。過去描写の幼いアキラとのやりとりから見ても、nは昔は普通の感情を持っていて、戦闘機械として人殺しをすることを悲しみながらも、諦めざるをえなかったんだろうな、と感じさせられます。おそらく、そうやって感情を押し殺してきたストレスがシキを力でねじ伏せ、ヒールを演じる形に向かったんだろうな、と。 nは無感情ではないというのは、ゲーム本編から十分に伝わって来ることなのですが、「傷ついた自分の心を守るために無感情を装っている」という方向で考えると、何だかいじらしく改めて萌えました。 2012/09/02 ■ED3「パンドラの箱1−1」 今度はED3連載を始めました。内容としては8/22メモで書いたことを文章にした感じです。 トシマ脱出後からED3のシキアキになっていき、両想いに至るまでを書きたいと思います。一番最初のオフ本『ディアマイフィア』と内容的には似たものになると思うのですが、あのとき上手く書けなくてちょっと正気っぽく書いてしまった淫靡アキラをちゃんとそれらしく書けるように、またED3アキラの狂気の底にあるものが書けたらいいなと思います。 本当はオフ本として出したいお話なのですが、長さ予測するとお話を書きあげるのにサイトを完全に更新停止しても半年くらい掛かる気がするので、サイト掲載したものを完結後オフ本としたいと思います。まだお話の先が見通せていないのであくまで今現在の予測ですが、サイト掲載するのはシキアキが両想いになるところまで。オフ本には、サイト掲載分+お話の真相(というか、世界観的に大円団?というか……)までを載せられたらいいなぁと思っています。 (サイト掲載→オフ化を予定しているので、とりあえずその旨を予告しましたが、予告すると案外、予定を変えたくなったりする方なので、話半分くらいで認識しておいてください) 通販の到着報告を下さった方々へ 到着教えてくださって、ありがとうございます! 無事届いたとのことで、ほっとしました。少しでも楽しんでいただけたら、幸いです! インデックスへ |