戦闘系審神者トーナメント5






トーナメント会場、転移ゲート前、“六条の君”





「ゲートを壊せ!」
 私は転移ゲートの向こう側に向かって叫んだ。直後、右手側で生じた真っ黒な靄が、ブワリと膨れあがって襲ってくる。迎えうつように私を包む加護が厚みを増した。が、今度はそれでは防ぎきれないことは分かっている。
 まずい。
 そう思った刹那、“声”が聞こえた。私の手の中で鞘に納まっている国永の本体が、発したのだ。考えるよりも先に、立ち竦んでいた足が地を蹴っていた。
 一足飛びに靄と距離を置く。と。私と入れ違いに、銀の軌跡が宙を滑った。短い気合いの声に、それが薬研だと知る。その直後、ふわりと私を抱き留めた者があった。馴染みのあるその腕の温もりは、国永のものだ。
 靄から少し離れた場所で、国永は私を降ろした。
「無事か、主?」
「何とか。だが、内通者が……」
 私は複雑な気分で、鳥居型のゲートの傍らを見つめた。薬研の刃が靄を切り裂いたため、靄は少し勢いを落としたようだった。
 その靄は意識を持つかのように、発生源へと戻っていく。そこでは、強い穢れを帯びた男が、まるでリビングデッドみたいにダラリと立っていた。そいつの背には、遡行軍の短刀のような、タツノオトシゴに似た化け物が三体くっついている。強い術を使うために、あえて自らに化け物を憑かせたのだろう。
 しかし――男の意識はすでにないようだった。代わりに化け物が身体を操っているのが分かる。しかも、化け物は私が見つけた途端、異界の入り口をこの場に開こうとした。
 本丸にしろ、演練場にしろ、この本丸サーバーネットワーク内に形成されている場は、空気の入った風船のようなものだ。そこに異界の入り口を開くということは、風船の中にいきなり林檎が出現するのと同じ意味を持つ。風船のゴムに伸びしろがあれば、いい。もしも、伸びしろがなければ――破裂するだけ。捨て身の戦略というより他にない。
「このままにしては置けないな」
 私はゲートを見ながら呟いた。先ほどまで作動していたそれは、今は停止してしまっている。異界の入り口発生をこの会場だけで留めるため、私がゲートの向こうに「壊せ」と頼んだのだ。その避難先ゲートが破壊されたため、こちらのゲートは発動先を失った形になっている。不用意に他へ繋げばまた余所が異界にさらされる危険性があるため、現状ではこちらからゲートを開くわけにはいかない。
 私たちに、逃げ場はないということだ。
「あの男を殺すか?」こちらへ戻ってきた薬研が尋ねた。
「いや」国永が首を横に振る。「あいつは貴重な情報源だ。なるべく生かして捕らえるのが最初の作戦だった」
「生かして、ねぇ……。そいつはなかなか難しいぜ」
 肩を竦める薬研の横で、国永は私へと目を向けた。試すような、確認するような、同意するような視線。本体の“声”はなくとも、何十年を共に過ごしてきた相手だ。
 国永の思考は、手に取るように分かる――。私は口を開いた。
「あの内通者から、化け物を切り離す。そうすれば、化け物は寄り代を失って、弱体化するだろう」
「だが、奴を生かして切り離せるか?」薬研は首を傾げた。
「薬研通の切れ味、見せてもらおうか」国永はニヤリと笑った。「さて、陽動は俺がする。薬研は奴が突出したところで攻撃を。そして――切り離すのは、主の仕事だ」
 淀みのない言葉に、国永の頭の中で戦略が出来上がっているのが分かる。
「これは主に」
 国永はそう言って、私に愛刀を返してくれた。こちらも、借りていた彼の本体を返す。ほんの少しだけ感じた寂しさのようなものは、愛刀を手にすると消えた。やはりこの刀がいちばん、手に馴染む。愛刀の鞘を払えば、刃文がゆらゆらと揺らぐ刀身が露わになる。
 国永と薬研も刀を抜いて、臨戦態勢に入った。
「行くぞ」
 低い声で、国永が鋭く合図する。その直後、彼は地を蹴って内通者へ向かっていった。応戦するように向かってくる靄を斬って、国永は高く跳躍する。まるで鳥のように。
 靄はそれを追って、グッと伸び上がった。だが、これは計算どおり。すかさず内通者に迫った薬研が、国永を追って伸び上がった黒い靄の根本に、刃を叩き込んだ。薬研藤四郎は、主の生命を守った守り刀として名声を得ている。その刃の一撃は、ご神刀ならずとも魔を退ける効果を持つ。黒い靄は見事に根本から千切れた。
「柄まで通ったぞ!」
 薬研の声を聞きながら、内通者の脇に回り込んでいた私は、即座に相手に切りかかった。と、その瞬間、手の中で刀の重みがわずかに変化する。急に扱いにくくなったその刃から、ふと“声”が伝わってくる。私は刀を振るおうという考えを捨てて、“声”に身を委ねた。
 独特の扱いにくさを、無意識のうちに手元でバランスを調整する。その上で、豪快なほどに振り抜く。繊細と無造作。気がつけば、私の振るった刃は皮一枚の絶妙さで、内通者の背中から化け物を切り落としていた。
 しかし、それではまだ終わらない。目覚めた内通者は、穢れに長い間、触れていたせいで狂気に陥ったようだった。奇声を発しながら、起きあがって逃げていく。私は後を追いかけようとしたが、できなかった。
 切り落とした化け物の死骸から、さらに大量の黒い靄が噴き出してきたのだ。靄は一カ所に集まって、直径二メートルほどの球を形勢する。

 ――異界の入り口が開こうとしていた。








トーナメント会場、“夕霧”






「静かだな……」小声で呟く。
 俺――夕霧とうちの国広、笹ノ露の組は転移ゲートがあるのとは、反対のエリアの捜索を受け持っていた。けれど、探しても探しても、内通者がいそうな気配がない。こちらは外れか――そう思いかけたときだった。
 グン! と身体に圧力のようなものが掛かった。強い穢れの気配だ。国広や長谷部、それに感応力が強い笹ノ露は、言うまでもなく異変を感じたらしい。見れば、敷地の反対側――転移ゲートの方に、黒い靄が立ち上っていた。
「異界が開きかかってる……」笹ノ露が、呟く。
 異界の入り口が開いてしまえば、普通の審神者ではどうすることもできない。たとえ、霊力の保持量が多い者でも、結界を扱える術者でも。もはや人間の力の及ばない自然災害みたいなものだ。いかに才能があっても、優秀でも、そんな巨大な力にかなうはずがない。せめて、仲間と合流して体勢を立て直さなくては。俺たちは急いで、先輩たちの元へ向かった。走りながら、先輩の近侍の国永にメールを送る。けれど、返信はない。あちらも取り込んでいるのだろう、ということは明白だった。
「先輩たち、大丈夫かな……」
 思わず呟いたときだった。先頭を駆けていた長谷部が、急に足を止めた。危うく後ろから追突しそうになりながら、俺たちも立ち止まる。
「いったい、どう――」
 どうしたのですか、と尋ねかけて、俺はハッと口をつぐんだ。皮膚がヒリつくような強烈な殺気を感じる。
 見れば、殺気の源は前方の長谷部だった。本体に手を掛けて、ある一点を見据えている。うちの本丸に打刀“へし切長谷部”はいないが、会合などで見かける限りでは理性的そうな印象だった。それが、今はどうだ。笹ノ露の長谷部の様子は、まるで敵を前にした狼のよう。その顔は、数メートル先、ボロボロのスーツをまとった内通者に向けられていた。
 ジリリ、と長谷部が一歩、踏み出す。柄に触れた手が本体の鯉口を切る。その様を目にした俺は、唐突に悟った。
 ――長谷部は、内通者を殺すつもりだ。
「いけません、長谷部さま」
 俺は抑えた声で言った。
 甘いと言われるかもしれないけれど、ここで内通者を殺してはいけないと思った。だって、相手は今はただの人間だ。憑きものが落ちていて、きっと抵抗の手段もない。
 歴史修正主義者に通じた彼は、裁かれなくてはならない。それも、法によって。
 しかし、長谷部は俺の制止を鼻で嘲笑った。
「夕霧、あなたには分かるまい。裏切者は、どこへ行っても裏切りつづける。戦国の世の常識だ。ここで殺しておかなくては。そして――俺には、“主”を裏切ったこの男を、討つ権利がある!」
 こうなっては、俺の声は届かない。でも、主たる笹ノ露の命ならば――と彼を見る。と、笹ノ露もまた、憎しみを湛えた目で内通者を凝視していた。それは、彼自身の憎しみだったのか。あるいは長谷部に引きずられたのか。
 と、その瞬間、視界の隅で長谷部が動くのが見えた。逃げ出そうとする内通者へと襲いかかる。
 間に合わない。そう思いながら、俺は叫んでいた。

「国広っっ……!」

 刹那。
「心得ている」
 国広の落ち着いた返答。不意に俺の横で緑色の閃光が上がった。パリン。硝子が割れるような高い音。と同時に、俺の隣から飛び出していく。国広だ。あっという間に長谷部に追いつく。そのあまりの速度に、彼の被っていた布が石畳の上に落ちていた。
 打刀の中でも機動性に優れる長谷部。初期刀の中では機動と衝力トップの国広。ともに練度がカンストしているとはいっても、普通なら“山姥切国広”が“へし切長谷部”の機動に追いつけるはずがない。うちの国広は、“隠し玉”を使ったのだ。国広は速度を上げて、内通者と長谷部の間に割り込む。気づいた長谷部が放った一撃を、国広は自分の刃で受け止めた。ガキン。金属のぶつかり合う激しい音が上がる。
「――お前の今の主は誰だ? 主のことを考えたなら、目の前で人間を殺すような真似はできないだろう」国広が低く言う。
「笹ノ露さまは俺に言った。自分を主と呼ばなくていい、前主を忘れなくていい、と。だから、俺にとっての主は――」
「ならば、問う! お前が守るべき人間は、誰だ!?」国広は長谷部の言葉を遮って、叫んだ。「俺たち刀剣は敵を殺めると同時に、遣い手の生命を預かる。守り刀と呼ばれるのは短刀だが、俺たちもまた、人の子の生命を守るのが役目の一つだ。俺は俺の主を守る。お前は、誰を守っている? 死者か!? それとも――」
 と、そのときだった。傍らで笹ノ露が動く。短刀――薬研の本体ではない――を抜いた彼は、逃げようとする内通者に向かっていく。まぎれもない殺気。内通者を殺す気だ。
 俺はとっさに懐から、“隠し玉”を取り出した。笹ノ露に向かって、それを投げる。緑色の閃光が上がって、彼は――見えない壁にぶつかって立ち止まった。
「何……これ……」呆然と呟いている。
「――刀装、盾兵・偏(ひとえ)。俺の隠し玉だよ」
 俺の審神者としての力は、ひどく偏りがある。鍛刀は壊滅的だし、手入れも手際がよくない。そもそも、霊力量が平均以下。国広と結ばれたことで霊力量だけはかなり増えたけれど、他は相変わらず。
 けれど、そんな俺にも唯一、誰にも負けない分野がある。刀装造りだ。それでも、数年前までは単に刀装が上手いだけだったのが、号をもらってから変わった。政府の依頼もあって、従来の刀装以外の新たな刀装を作れないか、研究を始めたのだ。
 一般的な刀装は、刀剣男士の能力を少し向上させると同時に、式の兵士を展開する。そのいずれか片方の機能を捨ててでも、残りの機能を強化できないか、と試作したのが刀装・偏だった。この刀装は式の兵士を呼ばない代わりに、刀剣の能力を飛躍的に高める。先ほど、国広が軽騎兵・偏を使って長谷部の機動を超えたように。ただし、〈偏〉の効果は一時的な上に、普通の刀装よりも使用に霊力や神気の消費が多い。今のところ、一撃必殺を狙うしか使い途のない刀装だった。
 それが、まさかこんなところで役立つとは。
「行かせてくれ、夕霧!あいつを生かして逃がすわけにはいかない!」
 盾兵・偏の効果は、防御力の極端な強化――ひいては、霊的物理的攻撃をすべて遮断する結界の形成。結界の中で笹ノ露が暴れているが、びくともしない。
 けれど、刀装の発動限界時間はすぐそこだ。俺は急速に消費していく霊力のせいて、ふらつきそうになった。それを石畳を踏みしめて堪える。目の前の笹ノ露を睨みつけた。
「馬鹿野郎!! 笹ノ露まで憎しみに捕らわれて、どうするんだよ。内通者は、政府に引き渡して、法で裁くのが筋だろ!? ここで殺すなんて、そんなの……ただの私刑じゃないか!!」
「夕霧は甘い!」ギラリ、と笹ノ露は殺気をこめた視線で俺を射た。「あいつが情報を流したせいで、何人の審神者が死んだと思う?何人の民間人が時間の流れから消滅したと思う!? 僕はこの一年、敵地で見てきた。止める術もなく、見てきたんだ!! だから――」これは戦争で、あいつは敵地なんだから、僕は敵を倒す。――この手であいつを殺す。
 笹ノ露が叫んだとき、盾兵・偏の効果が切れた。まずい。行かせてはいけない。彼に、ひとごろしをさせては。そう思うのと、身体が動くのがほぼ同時。
 俺は笹ノ露に飛びかかって、地面に押し倒していた。とはいえ、戦闘系審神者の笹ノ露と後方支援型の俺ではどちらが不利か、目に見えている。何しろ、俺の練度なんてせいぜい、某るろうにごっこや某忍者ごっこをしたくらいのものだ。それでも、必死に笹ノ露を押さえ込む。
「邪魔するな!」
 叫ぶ笹ノ露に向かって、俺も怒鳴り返した。
「嫌だ!」
「なんでだよ!?」
「笹ノ露に人殺しをさせたくない! 君があいつを罰したら、あいつを止められなかった責任はぜんぶ君のものみたいになる。――それは違う!内通者のせいで死んだ人たちがいるのは、俺たち皆の責任だから」
 そう言ったとき、笹ノ露が動きを止めた。俺の下から、呆然とこちらを見上げている。その視線を受けとめながら、俺は言葉を続けた。
「守れなかったのは、すべての審神者と刀剣男士の責任だ。笹ノ露だけのせいじゃない。――だから、内通者への罰は法に委ねるべきだよ。皆で、二度と繰り返さないように努力していくために。ね?」
 見る間に笹ノ露の目に涙が浮かぶ。押さえ込んでいた彼の身体から力が抜けて、俺はほっと息を吐いた。起き上がってみれば、少し離れたところに先輩と彼の鶴丸、それに笹ノ露の薬研がいた。いつの間にか鶴丸が気絶した内通者を縛り上げている。
「あ、あれ……?」
「あぁ、心配するな。内通者なら、うちの主が鞘で殴って気絶させた」俺の視線に気づいた鶴丸が、あっさりと言った。









一回目祈祷終了後、さにわちゃんねるにて




さにわちゃんねるのスレはさまざまな意見が入り交じり、荒れている。
議論がされているが、いっこうに結論はでていない。





465 ななしの審神者さん
だいたい、政府は何やってるんだよ!?


466 ななしの審神者さん
そうだよ。歴史修正主義者がネットワークに介入するのを許すなんて。
こっちは生命かけてんだぞ!? せめて本拠地になる本丸くらいちゃんと守れよ!!


467 ななしの審神者さん
今、政府を批判して何になるんだよ?


468 ななしの審神者さん
異界が開いたら、私たちどうなるの?


469 ななしの審神者さん
何とか異界の入り口を閉じる方法はないのか!?


470 ななしの審神者さん
そうだよ! さっきみたいに霊力が必要だっていうのなら、祈るよ!? どこまでだって、祈るから!!

だから、トーナメント会場に残ってる人たちを助けてあげて。異界が開いたら、どんなに術が使えたって無駄なんでしょ? 見捨てないで、助けてあげて。
私たちのいっぱい霊力使ってもいいから、異界の入り口を塞いで。


471 ななしの審神者さん
そりゃ、さっきみたいな祈祷で異界の入り口が塞げるなら、そうするよ? 本当に塞げるならね?
でも、実際どうなの?


472 ななしの審神者さん
そうはいっても、何もしないでいるのも――。


473 元政府術者
元政府術者の俺参上☆ミ
結論から言えば、大量の霊力があれば完全に開いた異界の入り口でもふせげるはず。
本丸サーバーネットワークっていうのはさ、霊的ネットワークだけど、要はネットワークなのよ。ある意味、デジタル、つまりデータの状態を脱していない。俺らみたいに現世に存在しているわけじゃないんだ。いちおう。
それでも、霊的ネットワークだからな。審神者が本丸と現世を行き来できるように、現世――つまり、物質界に顕現することはできる。


474 ななしの審神者さん
……どういうこと、だってばよ?


475 ななしの審神者さん
えー、あーほら。
ボーカロイドにとえると、現世のネット上の初○ミクは本物の人間にはならないけど、本丸サーバーネットワーク上で一定の存在を持った仮想現実は現実になるってことじゃね?

ほら、刀剣男士とか刀剣男士とか刀剣男士とか。


476 ななしの審神者さん
【悲報】○クは二次元嫁のまま


477 ななしの審神者さん
いいんだ! 画面の向こうの嫁が現実になるまで、俺は……! 結婚しない……!


478 ななしの審神者さん
〉477童貞乙


479 元政府術者
おまいらのさっきまでのテンションとの差で、俺氏、風邪ひきそ。

とりま、〉475 の解説は正解☆ミ

とにかく、今はまだ、異界の入り口は本丸サーバーネットワーク上のデータにすぎないのな。だから、俺たちの霊力というデータを、ネットワーク管理者がしかるべき形式にして異界の入り口に貼りつければ、塞ぐことはできる。

だよな、空蝉?
あ、たぶん政府の意向で今は書き込みできないだろうから、答えはいい。

まぁ、しかし、霊力で異界の入り口を塞ぐのには、リスクがあるんだ。異界は現世の生のエネルギーを吸い取りながら、負のエネルギーを噴き出している。入り口を塞ぐのに、どれだけ生のエネルギー――つまり霊力を吸い取られるか、誰にも分からない。


480 ななしの審神者さん
……下手したら、私たち全部の霊力を持っていかれるってこと?


481 ななしの審神者さん
おそらく、そういうことだろうな。


482 ななしの審神者さん
mjk


483 ななしの審神者さん
俺、さすがに生命までは賭けられん。
だって、審神者が死んだら刀剣男士は顕現してられないんだぞ?


484 ななしの審神者さん
そうだよ。刀剣男士が戦ってくれなくちゃ、歴史修正主義者たちは歴史を変え放題だ。


485 ななしの審神者さん
審神者って、基本、戦わないものだろ。

戦闘系審神者はその限りにあらずだけど、実は自分、彼らの行動には納得してない。政府は人間が歴史を改変してしまう可能性を恐れて、刀剣の付喪神に代理戦争を頼んだんだろ? そもそもの話として、人間自らが戦うってどうなのって、思う。
もちろん、それは個人の考え方によるから、戦闘系の人たちを面と向かって非難したりはしない。いろんな事情の人がいるんだろうし。

だけど、今回、いくら戦闘じゃなくて霊力を流すだけとはいえ、審神者が戦いに参加していいのかな。霊力を奪われて顕現できなくなる=歴史修正主義者との戦争に貢献できなくなる可能性もあるのに。


486 ななしの審神者さん
そう思うと、政府の煮えきらない対応も間違いとは言えないんだよな……。


487 ななしの審神者さん
〉485 俺は審神者も戦ってると思う。普段から。
刀剣男士を顕現して、戦に送り出して、迎えて手入れして。傷ついて帰ってくるあいつらを見るのはつらいけど、主がグラついちゃいけないから平気な顔して。
たしかに戦闘には参加してないけど、俺だって戦ってるんだと思ってる。


488 ななしの審神者さん
歴史改変の可能性を言われると、戦闘系審神者の自分としても正直グレーゾーンかなと思うが……人間同士の戦争を代理に依頼するというのが、自分には耐えられないよ。


489 ななしの審神者さん
で、どうする?
有志だけで、霊力流す??


490 元政府術者
政府術者だったけど、審神者の才能があるし術者だからってブラック本丸引継させられた俺氏、恨みを晴らすこの機会を待っていた!!
政府の内情バラしちゃうよ☆ミ

昔、先輩から聞いた話な。
歴史修正主義者との戦争が始まるとき、刀剣の付喪神に戦ってもらおうってなったのは、敵が折れた刀の妖を使役してたから、っていうのがいちばんの理由らしい。目には目を、歯には歯を、ってことな。
まぁ、それだと人間の軍隊に札とか呪具とか支給して戦争させてもよかった。実際、外国にはそうしてるところもあるしさ。
だけど、政府が審神者の制度を作ったのは、人間が戦うことのリスクを考えた結果、らしい。


491 ななしの審神者さん
リスク……??


492 ななしの審神者さん
そんなのバラしていいのか?


493 ななしの審神者さん
俺、元術者のレスの冒頭と中盤の温度差で風邪ひきそう。


494 ななしの審神者さん
っていうか、つづきはよ!

みな、お口ミッフィー(・×・)


495 元政府術者
はよ言われてるから、真面目に続き書く。

人間が戦闘に加わるリスクっていうのは、いろいろある。けど、歴史修正主義者が現れた当時、問題になったのは、この戦いがこの国で明治維新以降、初めての【内戦】であること。
過去の例でいえば、ベトナム戦争しかり、イラク戦争しかり、戦場で戦った人間の何割かはPTSDを負うらしい。まして、内戦ともなれば、どうなる? 国民同士が傷つけあって、疑心暗鬼になって。これでは、たとえ戦いが終わったとしても、元の平和には戻れないかもしれない。少なくとも、平和に戻るまで何年もかかるだろうって。

下あけて。


496 元政府術者
そんなとき、刀剣男士の本神たちが力を貸してくれるって言ったんだって。

刀が振るわれなくなったのは、自分たちの元主が切り拓いた未来の結果だって。たとえ遣われないとしても、自分たちはその未来を誇りに思っているし、主たちの生きた先にいる人の子たちを愛おしく思っているって。
だから、戦は刀剣男士の仕事でいい。
人間は戦わなくてもいいから、戦争が終わったときには元の平和に戻ってほしい。刀鍛冶たちが築いた技術の先にある最先端の技術を、元主たちが残したものの先にある文化を、発展させていってほしいいって。


497 ななしの審神者さん


498 ななしの審神者さん


499 ななしの審神者さん


500 元政府術者
500(σ゚д゚)σゲッツ!!


501 ななしの審神者さん


502 ななしの審神者さん


503 ななしの審神者さん


504 ななしの審神者さん
>500 おめ

っていうか、しんみりしたところを空気ぶちこわしやがってえええええ!!!


505 ななしの審神者さん
だが、そんな元政府術者に痺れ――ないしあこがれない!!!


506 元政府術者
(´・ω・`)


507 ななしの審神者さん
とりま、さっきの話を聞いて。
俺はもう一回、霊力流すのに賛成。


508 ななしの審神者さん
私も。

有志だけでいいから、やろうよ。


509 ななしの審神者さん
元術者が先輩から聞いた話が本当だとしたら、刀剣男士の本神が人間たちを守ろうとしてくれたのは、理解した。感謝もしてる。

でも、さ。審神者として刀剣男士と関わるうちに、自分たちは多少なりとも戦いを知ってしまった。自分たちが戦おうと決めて、そうするなら、きっと、それはそうなるべき摂理だったんだと思う。

ってことで有志だよノシ


510 ななしの審神者さん
よーし、政府が何も言ってこないなら、勝手に霊力流し始めてやるぜ。無駄にしたくないなら、異界の穴ふさぐのに使いやがれ(ゲンドウポーズ) 〉政府関係者

とはいっても、バラバラに流してちゃ意味がないから、僭越ながら、音頭を取らせてもらう。十五分後に開始だ。
有志各位はさにったー他で拡散たのむ。

あと、もし参加しないって奴らがいても、責めるなよ。
参加しない奴らは、仮に俺たちが霊力を奪われきってしまったとしても、後に残って歴史修正主義者との戦いを引き受けてくれるんだ。これは必要な役割分担であること、有志は了解してくれ。できないなら、参加しないで後を託される側に回れ。


511 ななしの審神者さん
参加するよー。
非参加組、なんかあったら後よろしく☆(ゝω・)v


512 ななしの審神者さん
自分も参加。


513 ななしの審神者さん
霊力少なくて非参加組だ。すまん。
でも、万が一のときのことは任せてくれ。


514 ななしの審神者さん
さにったーで拡散してきたー。


515 空蝉
なんだよ。皆、勝手なことしてくれちゃって、困るじゃないか。おかげで政府の関係部署が大慌てだよ。

仕方ないから、ネットワーク管理者一同で支援する。具体的には、皆が流してくれる霊力を『異界の入り口をふさぐ』っていうデータに変換して、貼り付けることになる。だが、覚悟してくれ。上でも出ていたが、霊力を奪われつくすかもしれない。絶対安全という保障はできない。

それでも霊力を流す審神者は、初期刀か誰か絆の深い刀剣に傍にいてもらうこと。でないと、異界に魂まで持っていかれる可能性がある。というか、過去にそれで魂を持って行かれて発狂した審神者は実際にいるんだ。
絶対にひとりきりで祈祷に参加してはいけない。


あと、元政府術者。
“長”が恥ずかしいことバラしてんじゃねーってキレてるぞ。


516 ななしの審神者さん
すでに初期刀のむっちゃんと祭壇前にいる自分に死角はなかった。


517 ななしの審神者さん
ユイノウカッコカリしたたぬきさんと一緒に祈祷します。


518 ななしの審神者さん
うちはぎねがついててくれる!


519 ななしの審神者さん
意外と皆、刀剣と一緒にいるな。
まあ、今日はゲートのメンテで出陣できないから、当然か。


520 元政府術者
〉空蝉
おっと。
バラしたのは、俺を本丸に突っ込んだ恨みだよ☆ミ
先輩に、長としての愚痴聞いたるから今度飲みに行こうぜ、って伝えといて。


で、あと五分な。
いつもは外で鍛錬とかしてるうちのアクティブすぎる宗三が「僕があなたの傍にいてあげるのだから、はやく祈祷の準備をしなさい」って急かしてくるんで落ちるわ。


521 ななしの審神者さん
準備完了!


522 ななしの審神者さん
よーし! いつでもこーい!


523 ななしの審神者さん
大倶利伽羅が一緒にいてくれるって言うから、いっちょがんばりますかっと!


524 ななしの審神者さん
ごめん。やっぱり審神者がどういう形であれ戦うってことにいろいろ納得できなくて、非参加組でいさせてもらう。皆、ごめん。


525 ななしの審神者さん
〉524
別にここで報告しなくていいよ?
モチベ下がるし。


526 ななしの審神者さん
〉525
まぁまぁ。


527 ななしの審神者さん
納得できない審神者がいることを知ってることは、きっと価値があると思う。いろんな時代から来てる年齢も境遇も違う審神者がいるんだ。考え方がちがっていても、一緒に審神者業やってる仲間なんだって思うとすごいよね。


528 ななしの審神者さん
あと二分。



529 ななしの審神者さん
そろそろか。



530 音頭を取る審神者さん


よーし、皆、祈祷開始な!!











 その瞬間だった、僕は本丸サーバーネットワーク上に接続した意識で、多量の霊力の流れを見た。先ほどよりも強く輝く霊力が、一気にネットワーク上のトーナメント会場のある時空ポイントへと押し寄せていく。
 本丸サーバーネットワーク上に意識を繋いでそのときを待っていたネットワーク管理者たちが、一斉に霊力の流れに介入しだした。それと重なるように、現実世界の本丸サーバーネットワークの祭壇の審神者たちの周囲で、文字や数字、梵字などが乱舞する。もはやどの方向に文字列が流れているのかは分からない。部屋が埋めつくされるほどの文字列の中で、ネットワーク管理者たちが懸命に霊力の並を制御しようとしているのが見えた。

 ――今なら。

 僕は意識の片隅で、夕霧の刀剣である三日月に呼びかけた。霊力量さえあれば、古の刀である彼は上手く主との縁をたどることができる。そうして六条の君たちを救出してくれるよう、すでに頼んであるのだ。







第二回祈祷中、トーナメント会場、“六条の君”





 どうやって異界の開いたこの場から逃れるか。私がそう考えたときだった。笹ノ露がふと顔を上げて、空を仰いだ。
「どうしたんだい?」
「六条の君、……。今、何かが――」
 笹ノ露が言いかけたときだった。うわっと夕霧が声を上げる。見れば、彼は両手で頭を押さえていた。「今、何かに頭を引っ張られたような気が……」と首を傾げる。
「頭を、引っ張られた……?」
 どういうことだ。私は内心、首を傾げた。そのやりとりを聞いていた国永が、ニヤリと笑みを浮かべる。
「こいつは助かったかもしれんな、主」
「え?」
「誰かが夕霧との縁を辿って、ここへ転移ゲートを開こうとしているみたいだ」
 その言葉が終わらないくらいの間の出来事だった。不意に夕霧の頭上に光が生じた。転移ゲートが開いたのだ。そこから三日月宗近が顔をのぞかせる。「主! 六条の君たちも、無事でよかった」ほっとした様子で言うのは、夕霧の本丸の宗近らしかった。
「三日月! これってどういうこと?」夕霧が尋ねる。
「説明している暇はない! この時空ポイントはじき、異界の入り口と共に塗りつぶされてしまうだろう。皆、来い!」
 宗近が叫ぶ。それと同時に、山姥切が夕霧を抱き上げて跳躍した。薬研が笹ノ露を抱いてそれに続く。
 後には長谷部と国永、私、そして内通者の男が残された。この男をどうする? と国永が内通者を視線で示す。私は国永に彼を連れてゲートを潜るように言った。そのときだ。ズズズズと重い音があたりに響く。見れば、異界の入り口の方から猛スピードで黒い触手のようなものが伸びてきていた。
 異界の中に棲む化け物か何かだ。
「まずい! 異界が口を開いた……その代償として贄を求めている」
「贄って?」
「むろん、異界を開いたのは憑依された内通者だ。この男を、求めているのさ」
 私の問いに国永が鋭く答える。ならば早く、と私は国永を促した。彼は内通者を俵担ぎにして、転移ゲートへと向かう。が、触手の方が速い。内通者が連れ去られようとしているのを感知したのか、一気に触手のスピードが速くなる。
 まずい。逃げきれない。
 私は触手に応戦しようとした。が、それよりも速く飛び出した影があった。翻るストラ。長谷部だ。「――俺の刃は防げない!」彼の渾身の一撃が、触手を両断する。地面に落ちたソイツはまだ蠢いていたが、長谷部はチラリとも見ずに引き返してきた。まだ残っていた私を抱え上げて、転移ゲートの中へ跳躍する。
 ほとんど転がり込むようにして脱出した私たちの後ろで、転移ゲートがふっと口を閉じた。私たちの元へ、慌てて皆が駆け寄ってくる。内通者を放り出した国永が、ひざまずいてギュっと私を抱きしめた。皆の前だが、さすがに原始の混沌の一端を目にした直後で、虚勢を張る気力がない。すでによく知る彼の体温に身を委ねて、静かに息を吐く。
 傍らでは、笹ノ露と薬研が長谷部を囲んでいた。
「長谷部……。お前、内通者を憎んでいたのにどうして」笹ノ露が呟く。
「……俺の“前の”主を内通者のせいで亡くしました。恨みがないわけではない。だが、あなたが――主がこの男を生かすことに納得された。あなたを主としたからには、俺も、前へ進まなくては……いや、違う。前に進みたいんだ」
 そう話す長谷部は、少しぼんやりした表情だった。自分の話す言葉に戸惑っているかのように。そんな長谷部の左右から笹ノ露と薬研が抱きついている。微笑ましい光景に私は少し笑って、やんわりと国永の腕を解いた。
 立ち上がると、夕霧と山姥切、それに宗近が私たちを待っていた。笹ノ露たちを促し、内通者を引っ立てて、出口へと向かう。やがて、転移ゲートの出口が現れて――。










第二回祈祷終了、さにわちゃんねるにて



550 空蝉

今、異界の入り口の封印が確認された。
祈祷をしてくれた審神者、刀剣男士各位に感謝する。

なお、戦闘系審神者トーナメント会場で調査を行っていた特命審神者たちも無事、帰還した。あの状況で彼らの帰還が可能になったのは、皆のおかげだ。

感謝している。



551 ななしの審神者さん


552 ななしの審神者さん


553 ななしの審神者さん


554 ななしの審神者さん


555 ななしの審神者さん
これは……


556 ななしの審神者さん
やったああああああ!!!!


557 ななしの審神者さん
異界が閉じたああああぁぁぁぁぁ!!

しかも、巻き込まれはゼロらしい。
やった!!


558 ななしの審神者さん
和睦キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!


559 ななしの審神者さん
エンダアアアァァァァァァァーーーーーー!!


600 ななしの審神者さん
イヤアアアアアアアアァァァァ----!!!!!


661 ななしの審神者さん
>559-600 それ違うから。

けど。

祭りだ祭りだーーーー!!!



以下、さにわちゃんねるは作戦成功で祭りになる。









トーナメント翌日、鶴丸国永






 いろいろ波乱のあった戦闘系審神者トーナメントから、一夜が明けた。事情説明などがあって、俺と主が官舎に戻ったのは深夜のこと。笹ノ露や夕霧たちも疲れていたようだし、空蝉などはそもそも二回目の祈祷が終わった途端、意識を失ってしまったという。結果、事後説明の多くを現場にいた主がすることになって、拘束時間が長くなったのだ。帰宅して、最後の気力を振り絞ってシャワーを浴びて、ベッドに倒れ込む頃には日付が変わっていた。
 目が覚めて、ふと見れば傍らで主が眠っていた。あまり覚えていないのだが、一緒に寝たらしい。昨日の昼間の凛とした物腰が嘘のように、安らかな寝顔。頬に触れると、まるで猫のようにすり寄ってくるのがひどく愛おしい。主はまだほとんど覚醒してないらしく、俺に身を寄せて落ち着く場所を見つけると、再び静かな寝息を立て始める。
 まるで俺の傍にいるのが、もっとも安全だというように。うぬぼれではなく、そう思われているという自信があった。主が本丸を失って消沈している間、俺だけがずっと傍にいたのだから。それでも、普段は他人に依存したところなどまったく見せようとしない主だ。こんなときにでもなければ、彼が俺に安息を見いだしている様子なんて、見ることはできないだろう。そう思うと、思わず頬が緩む。
 と、そのときだった。
 枕元に放り出してあった携帯端末が、アラームを響かせる。見れば、昨日の今日で戦闘系審神者トーナメントを主催した政府の一部門からのメールだった。律儀なことに、昨日の突発事態への謝罪と第二回トーナメントもいずれ開催する予定だという文言が書かれている。
「第二回か……」
 俺は呟いた。主が俺の本体を遣ってくれるなら、トーナメントも悪くないかもしれない、と思う。まぁ、彼はああした人目につく場には、必要がないかぎり出たがらないだろうが。
 そんなことを考えていると、俺の声のせいか主が「んん……」と小さく唸って、目を開けた。眠りの気配でぼんやりした黒い目で、俺を見上げてくる。彼には珍しく、寝間着を適当に着たようで、襟の合わせ目がいつになくしどけなく開いていた。
「くになが……? どうした?」
「メールが来ただけだ」
「メール……?」
「トーナメントの二回目をいずれ開催すると。今度は陽動ではなく、純粋な娯楽としてのようだな」
「そうか……」
 頷く間にも、主はとろとろと目蓋が落ちかけている。俺は彼の目蓋に唇を寄せた。それから額や頬、鼻先と口づけを降らせる。そうしていると、主はぼんやり目を開けて、困った顔をした。
「……眠いんだけど」
「分かっているさ。今、君を抱こうとは思っていない」
「じゃ、なんで」
「愛しいなと再確認していた」
「ばか」不機嫌な顔をしてみせて、主は言った。けれど、その声には明らかに羞恥の色がのっている。いわゆるツンデレが発動したらしい。彼は俺の肩口に顔を埋めて、呟いく。「もういっかい寝て――」
「ん?」
「つぎ、起きたときに、国永にまだその気があったら……抱いてほしい」
「君の許しが出たのなら、もちろんそうするさ」
 俺は笑って、あやすように彼の背を撫でる。それから、右手で携帯端末を操作した。






***





 さにわちゃんねるのトーナメント実況スレが終わりかかっている。



990 ななしの審神者さん
はー。それにしてもいろいろあったスレだったな。


991 ななしの審神者さん
まぁ、いいじゃないの。終わりよければすべてよしって言うし。


992 ななしの審神者さん
じゃ、恒例のあれ、いっときますかっと!


995 ななしの審神者さん
1000ならうちに三日月が来る!


996 ななしの審神者さん
1000なら扇の鶴か後輩がまたさにちゃんに顔を出す!


997 ななしの審神者さん┓
997ならみんなホモになる!!


998 ななしの審神者さん
>997
ちょ! お腐れさま止めて!
そういうシャレにならないの止めて!

1000じゃなくても、審神者と刀剣たちが仲良く過ごせますように!


999 ななしの審神者さん
皆、祈祷ありがとう。あきらめないでくれたことに感謝する。

皆のおかげで、主ともども帰還することができた。人の子らは、ときに俺たち付喪神が思いつかないような驚きをもたらしてくれるな。

本当にありがとう。


1000 ななしの審神者さん
あれ、このIDって確か……


1001 ななしの審神者さん
このスレッドは1000を超えました。
新しいスレッドを立ててくださいです。。。。。










長いお話にお付き合いくださって、ありがとうございました!!



pixiv投下2015/08/29

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